見出し画像

農家が八百屋を始める

前回までの記事では流通業に参入したお話しでした。
今回は一般消費者向けに八百屋を始めた経緯のお話しです。

テナント探しに苦戦

八百屋を始める以前に、流通業に参入すると決めてから
品物の調整場所、保管場所が欲しいとテナントを探し始めました。
武蔵野市、小金井市、三鷹市近辺の不動産を回り、ネットで調べ
契約希望日の半年以上前から動いていたのですが
さすが激戦区ということもあり、なかなか空きがなく
しかも家賃がものすごく高い・・・
テナントということもあり保証金も高く
なかなか希望するところが見つかりませんでした。

不動産会社も何社も回り、候補地があっても
八百屋という条件で先方からお断りされたり
店はいい場所にあっても駐車場が近くになかったり・・・
融資のタイミングと起業する日が近くなり
半分あきらめも出てきたところ
あと3か月後に退去する物件があると連絡が。

協力的な大家さんとの運命的な出会い

内見すると、小さな商店街の一角。
こぎれいな外見と内装。
場所は繁華街からはなれているから商売は難しいかもしれないと
注意事項もありながら
希望範囲内の家賃で、条件も悪くない。

大家さんと面談したところ
なんと、農業にかなり理解を示してくださる方で
八百屋業にも大賛成。
一発了承をいただき、物件を借りる審査へ。
手続きから借りるまで3ヶ月以上要しました。

後々、この場所を借りられてよかったと
なんども感謝することになります。
本当に大家さんには頭があがりません。

八百屋さんを開店へ

開業当初は保冷庫の設置や
色々な事業に追われ、八百屋業は当面見送りに。

その後、畑の野菜の直売を週に一度小さく始めました。
お客様もぼちぼち来てくれるようになり
少しずつ固定客も増えてきました。

ある日、商店街のイベントを開催するから
出店してみないかとお声がけいただき
せっかくだから八百屋をやってみようと
市場から仕入れた野菜や果物を販売してみることにしました。

見事イベントは大盛況に終わり野菜も完売しました。
お客様から買い物が大変だからお店を開いてくれるとありがたいと
お声をたくさんいただき
週に一回だけ八百屋を開店することになりました。

八百屋のコンセプトとは

借りているお店がある商圏は武蔵野市でありますが
公団がやファミリー向けのマンションが近くにあり
高齢者や小さいお子さんを抱えている方が多くいます。

そのため、高級品や嗜好品よりも
安くて普段使いできるものが多く売れる傾向にあります。
吉祥寺というネームブランドに惑わされてはいけませんね・・・
きちんと商圏を理解し、お店のコンセプト、ターゲットを明確にすることが
とても大事であると痛感しました。

近くに買い物ができる場所が少なく
高齢者の方は買い物難民であるとのこと。
ありがたいことに週に一度だけの開店なのにご利用いただくリピーターの方が増え
オープン時は行列ができています。
今後は開店日を増やしてもっと多くの方にご利用いただけるようにしていきたいものです。

お店づくりの仕掛けやポイントなどいつかまとめて出していきたいと思いますのでご興味ある方はぜひ!


次回は、
農業体験サービスを始めるにあたり、意外な落とし穴があったことを
ほのめかしていたのですが、その真相をお伝えします・・・

お楽しみに。