人工呼吸器をつけ 全国で初めて普通学校を卒業した歩さん 制度の壁こじ開けた35年(2)
■周囲の支え 全力で寄り添った父
人工呼吸器を装着しながら、当時前例のなかった在宅生活を4歳で始め、地域の小中高校に通った平本歩さん。その35年の生涯は、父の弘冨美さんの存在を抜きには語れません。
神戸新聞記者 久保田麻依子
「制度の壁こじ開けた35年(1)」はこちら
◆人工呼吸器を付けた子の親の会 発足
生後3カ月から歩さんが入院していた淀川キリスト教病院(大阪市)で、人工呼吸器を付けた子の7家族が院内グループとして発足させたのが「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)」だ。
「バクバク」は、手動式の呼吸器を作動させるときに「バクッ、バクッ」と音がすることから名付けた。
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