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「新長田を彩るプレイヤー ~新長田のまちとダンス~」-Part3-

地域における劇場とは。

どうして大阪から新長田へ?

DANCE BOX・事務局長「文さん」



-記者-
大阪から新長田に来られた時のお話についてお伺いしたいのですが
DANCE BOXの新しい拠点に新長田を選んだ理由はどういったものでしたか?

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-文さん-
2009年に新長田に来て、12年目になります
まず他に選択肢がなかったから来たっていうのはあるんですけども・・
新長田やったらやれるかなって言う勘ですね
スタッフもここやったらやれるかもっていう、そういう肌感覚はありました
-記者-
具体的にどういった部分からそういう風に感じたのですか?
-文さん-
何かこうまちの柔らかさであったりとか
初めて下見に来たときにお昼ご飯を食べ損ねて
夕方ぐらいにお好み焼き屋さんに行ったら
演歌がかかってて、ビール飲もうかって言いながらお好み焼き食べる・・
こういうことが出来るまちっていいまちやろな
柔らかいまちだろうなっていう印象がすごいありました

-記者-
大阪でやっていた時と、新長田に来た時とで違いはありますか?
-文さん-
まったく違いますね
大阪にいたときは劇場を運営することが決して簡単なことではないにしても、劇場で
表現活動をすることにあんまり疑いを持たずにやってたんです
皆さんはこのビルの4階にDANCE BOXがあるって、知っていましたか?

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-記者-
失礼ながら今日のお話をいただくまでは知らなかったです
-文さん-
そうですよね
新長田に来た時に、自分たちから外に出ていかないと、
この場所のこともそういう表現のことも知ってもらえないっていうのがあったので、
ここに来て動き方が全く変わったような気がします
ここでやっていくには、「地域における劇場」とはなんなのかっていうことを、そもそも私たちが考えなきゃいけないし、やる意味がないよねって思っていて
そこありきでここに来ましたね
-記者-
地域における劇場とは何でしょうか?
-文さん-
地域の人々に受け入れられている劇場・・・ですかね
完全によそ者として私たちがこのまちに来た時に
このまちに受け止めてもらえたからだと思います
私たちが頑張ったからではないですね
それが新長田でやり続けていることができている理由だと思います
そこを切り離して考えることはできないですね

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-記者-
新長田に来て良かったなと思う事はありますか?
-文さん-
200%あります
このまちでやってきたから今のDANCE BOXの活動があって
このまちに活動を作ってもらっていると思います
-記者-
新長田の人・文化がDANCE BOXにおける表現に影響を与えているということですか?
-文さん-
そうですね
例えば、この劇場でどういう作品を立ち上げるのかっていうときに
いろんなまちの人に関わってもらって、長田発のものを生み出していきますし
暮らしと表現と活動は切り離せませんからね
新長田でごはんを食べて、新長田の空気を吸って、毎日この通りを歩くみたいな
その切り離せなさが、まちの文脈が、やっぱり表現にも繋がっていくと思うんですよね

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-記者-
まちの文脈というと、例えば下町文化とか
人と人とのつながりが強いというようなところですか?
-文さん-
そうですね
もちろん、下町文化が上演することに何かしら直接影響することも、しないこともあると思うけど
今この時代を表現者も生きていて、お客さんも生きていて
じゃあ、今新長田で上演する意味ってなんやろとか
どういう上演をすればお客さんと響き合うものができるのかとか
逆に、それらを上演でどうやって立ち上げるのかとか
やっぱりいろいろなことを表現者も考えてやるわけじゃないですか
-記者-
その地域での生活や文化といった切り離せないものが、ここで上演されるものにも繋がって、できているということですか?
-文さん-
繋がっていると思います
それこそみんなこの地域でいろんなリサーチを重ねたり、
ここで感じたものを作品に取り込んだり、そういう形で作っている人もいるし
-記者-
このまちから影響を受けて生まれた発想はありますか?
-文さん-
このまちにきて、国籍、性別、年齢など様々なバックグラウンドが違う人がいることを知ったんです
国際交流するために外から人を呼ばなくても十分多様な文化と交流する機会が新長田にあるよなって
だから国内ダンス留学によって、バックグラウンドが違う人たちの交流の場を作ってみようという発想になりましたね
それによって、今あるところから外だけに目を向けるというよりは、外と内を行ったり来たりしながらプログラムを作っていくっていうようになっていきました

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