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「新長田を彩るプレイヤー 〜木を愛し、新長田を愛する建築家〜」-Part1-

-合田さん-
えっとね、家とかだけに限らず、なんか仕事させてもらうと
僕ら関わるのは一瞬なんですよね
その現場の状態見に行って、打ち合わせして、設計して、出来上がって、引き渡すまで長くて1年くらい
1年半くらいかかるとこもあるかな
それで僕らが関わることは終わってしまいますやん
だけど、店をやる人とかそこに住む人ってその後ずっと周りの人と関わるわけなんで
僕が大事にしてるというか、意識してるのは、


やっぱり周りとの関係性です


なるだけ僕らが邪魔にならないように
-記者-
共存するというか
合田さん-
そうそう
やっぱり工事の段階から周りとのいい関係を作っていくっていうのが大事ですよね

合同会社r3 合田さん

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-記者-
合田さんの生まれは神戸市ですか?
合田さん-
神戸市内です
-記者-
神戸市内で生まれ育って、この新長田にたどり着いたということですか?
合田さん-
そうですね、たどり着いた感じです
-記者-
アート&クラフトという活動をしていると伺ったのですが、どのような経緯で始まったのですか?
合田さん-
経緯はアート&クラフトだけでいうと、僕らの大学の同級生3人で独立しようかということで、
・仕事辞めた人! は僕なんですけど
・実家(家業の大工)から逃げてきた人
・建築家になりたい人
その3人でユニットを組んだのがきっかけで、まあ色んな仕事をしてたんです
-記者-
なるほど
合田さん-
ある時にアート&クラフトの横長の黒い本を本屋で見つけたんですよ
それで、こんなかっこいい事務所が大阪にあるねんや!ということで
メンバーの1人がその会社にメールを送ったんです
ほんなら、「そんなやつおるねんや」と
逆に向こうの社長さんが返してきてくださって、社長さんと飲み友達になりました
-記者-
それがきっかけで
合田さん-
その中で、僕らのやった仕事を見てもらったりして、かっこいい事務所の人らと関わりをもつきっかけになりましたね

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-記者-
合田さんが独立しようと思ったきかっけは何だったのですか?
合田さん-
僕は大学卒業して、5年間だけゼネコンに勤めてたんですけど
入る前から「5年間は会社が投資してみんなを育てる、5年後は返してね」っていう話を聞いたんです
それで5年で1人前になれるんやとなぜか勘違いをしてしまって・・・
5年経った時にものすごい大きな仕事を取ったんですよ
それで、もう1人前になれたんじゃないかって思って、5年でやり切って辞めちゃった
独立したものの、1人前にはなってないですよね
そんな甘くなかった27歳の時です
-記者-
そこからアート&クラフトで活動を始められたんですか?
合田さん-
アート&クラフトは退職して大分経ってからなんです
最初は3人でやってて色んな経験をした後、アート&クラフトに合流したみたいな
アート&クラフトって、僕らみたいに設計とか工事の管理をするものは、
プロジェクト契約になっていて、社員ではないんですよ
同じアート&クラフトの設計のメンバーみたいな感じでやってます

-記者-
ご自宅をご自身でリノベーションされたと伺ったのですがきっかけは何ですか?
合田さん-
この長田の町に来たのが16年前なんですけど、僕も妻も縁もゆかりもなくて
16年前に結婚して、当時は親の家に同居していて
やっぱりもめるというか、もめる前に出ようかということで
当時から自分で家を作れる自信があったので、古い家を探してたんです
今では、リノベーションとかDIYが流行ってるけど、
16年前に不動産屋に
「古い家ないかな?」
「賃貸で安くて自分で内装をさわれる家がないか」と聞くと、
「そんなんあるわけないやん」って言われてました
16年前は家って借りたら壁に穴開けるのもあかんねんっていう時代でしたしたね
半年くらい探したんやけど、不動産屋を通じては見つからなかったんです
そんな時に知り合いの酒屋のおばちゃんから電話があって
「あんた、ええ家あるで」
「まじで!ええ家ってどういうこと?」
「なんかアパートやねんけどな、4軒がつながってて」って
もう聞いたときはさっぱりわかりませんでした(笑)
-記者-
(笑)
合田さん-
ほんで、嫁と見にいったら、もうひとめぼれ!
へーって!!


なんか変な家なんですよ


ぱっと見は木造2階建ての一軒家なんやけど、玄関扉が2つあって
1つ目の扉が1階の入り口で、奥と手前の2軒あって
もう1つの扉を開けると、階段があって、左右に一軒ずつ
だから4軒分、ポストが4つあって
ほんで風呂なしのミニキッチンとトイレがそれぞれ4つずつある家
-記者-
変わった構造ですね
合田さん-
それでその家を手に入れて、そこに住みながら1年くらいかけて自分で工事しました
-記者-
すごいですね
合田さん-
その家にはお風呂が無かったんですよ
この辺は銭湯文化がまだ残っていて、歩いていけばちっちゃな銭湯が3つあって
銭湯に通いながら生活をしてました
その頃生まれたての長男がおったので、僕らが頭洗う時に待合室で待ってるおばちゃんとかに預けるんよ
「かわいいな、抱っこしといたろか。あんたらどっから来たん?」みたいな
それがお風呂屋でできたコミュニケーションになって、色んな人と結びつくきっかけになりました
-記者-
そういった場所で繋がっていくのは素敵なことですね
合田さん-
そうそうそう
そんな感じ
だから今も家にお風呂はできたものの、いまだに風呂屋には通ってるし
その時に家を自分で造って、うちの嫁にちょっと手伝ってもらったりとか色々して
DIYというか、見よう見まねでやってみた
-記者-
いいですね、DIYとか
今メジャーになってきてますもんね
合田さん-
今ね、今でこそね
-記者-
DIYやリノベーションをするときに何か大切にしてることはありますか?
これはこだわるなとか
合田さん-
えっとね、家とかだけに限らず、なんか仕事させてもらうと
僕ら関わるのは一瞬なんですよね
その現場の状態見に行って、打ち合わせして、設計して、出来上がって、引き渡すまで長くて1年くらい
1年半くらいかかるとこもあるかな
それで僕らが関わることは終わってしまいますやん
だけど、店をやる人とかそこに住む人ってその後ずっと周りの人と関わるわけなんで
僕が大事にしてるというか、意識してるのは、


やっぱり周りとの関係性です


なるだけ僕らが邪魔にならないように
-記者-
共存するというか
合田さん-
そうそう
やっぱり工事の段階から周りとのいい関係を作っていくっていうのが大事ですよね
僕が自分の家にお風呂が無いのがきっかけで近所のお風呂屋に行ってるみたいな
近所もうまいこと巻き込んで、後の関係性、周りとの関係性は大事にしたいですね
なんぼええもんとか、なんぼお金かけたりとかしてもそれはその一瞬で終わってまうので
関係づくりを大事にしたいなっていうのは常に思ってます
-記者-
その後に続いていくものというか
合田さん-
続いていく、そうそうそう
オーナーさんであったり、そこに住む人がより良い関係でそこの場所におれるような感じになればいいなっていうのは思っているかな
僕の作るものにももちろんこだわりはあるんやけど、それ以外ではそっちの方を意識しています
-記者-
なるほど
そこから続いていくコミュニティを大事にしたいということですね
なにをするのにもその後が大事ですもんね
合田さん-
そうなんですよ

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-記者-
今後こういったコミュニティを作りたいとかありますか?
合田さん-
「この辺のコミュニティすごいじゃないですか」みたいなことをよく言われるんですけど
僕としてもコミュニティを作り上げてるみたいな意識は全くなくて


なんか日常的に豊かになればいいなって


まずは親とかも含めて自分たちの家族がより豊かに日常が過ごせたらいいなってところで発信してるので、
周りの人とコミュニティを良くしようとか、うまいことみんなと輪になって仕事やろうっていう意識はしてないんやけど
周りから見てたり、色んな投稿をしているのを見ると周りからはよく「コミュニティすごいっすよね」みたいに見えちゃうのかな
-記者-
そういう目線を向けられがちということですか?
合田さん-
そうそう
そこまでコミュニティとかって意識して作れるもんちゃうんちゃうかなって
-記者-
そうですよね
それこそ、リノベーションやアートとかで、ずっと携わってきた先にできたものがこういうものだったという
合田さん-
そうですね、たまたまこの町で暮らすようになって
縁あってうちの妻が合同庁舎のすぐ南側で1dayカフェみたいなのをやりだしたんです
そこは期間限定の場所だったのでこれだけで終わるのは嫌やなって思って、新しい場所を探してた時に、ここ(r3)があったっていう
そんな自然な流れですね
-記者-
合田さんが作り出した、関わった場所が
結果的にいいコミュニティの場所になっているんですね

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