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「新長田を彩るプレイヤー 〜地方の私立大学職員、地球規模の人口移動にともなう社会問題を本気出して考えてみた〜」-Part3-

神戸常盤大学 社会連携課 Uさん

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漫画との出会いは

-記者-
趣味へのこだわりの部分もお伺いできればなと思います
漫画好きと伺ったのですが、好きになったきっかけはありますか?
-Uさん-
もういつから好きかわからないですね(笑)
あっ!!
たぶん一番最初に漫画として意識して読んだのは小学校4年生の時に、家族の仕事の都合で1年間海外で暮らしていた時ですね
-記者-
どちらに行かれてたんですか?
-Uさん-
上海とイギリスのケンブリッジにそれぞれ半年間住んでいました
-記者-
上海とケンブリッジ!
いいですね
-Uさん-
上海って当時から都会だったんですけど、私が行っていた1990年はまだまだ日本人が少なくて、日本人学校も一校しかありませんでした
ただ、家から遠かったので、現地の小学校に行ってました
現地校に行くことも急に決まったので、中国語の勉強もしていなくて、学校の勉強は当然何言ってるか分からず、クラスメイトと話すこともできず・・・
街角では「日本人の子ども!」と上海語で知らない人から言われたりして・・・
-記者-
そんなすぐに話せるようにもならないですよね
-Uさん-
兄弟もまだ幼かったので、話し相手も少なくて
そんなとき、父親が色んなところから駐在の日本人が帰国するときに置いていった本や漫画を集めてくれたんですよ
その中に漫画が一冊あって、その漫画を繰り返し読んで
その時くらいから漫画を読む習慣がついたんだと思います
-記者-
日本語に飢えているなかで、漫画と出会って
-Uさん-
そうですね、今考えたらそうかもしれない
-記者-
そこからどんどん漫画にハマっていって
-Uさん-
漫画好きになりました
当時繰り返し読んだ漫画は中国に置いてきてしまったんですが、その後長い時間をかけて作品を特定して、集めました
今では将来自分で漫画をつくりたいと思ってるくらいです

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新長田を舞台にした漫画作品を作りたい

-記者-
先ほど漫画を将来つくりたいとおっしゃっていたのは、自分で描かれるんですか?
-Uさん-
絵はそんなに描けないので、原作とか原案みたいなのを作りたいなと思っています
-記者-
ストーリーとかを作られるということですか
-Uさん-
そうです、それも、アニメ化したいなと思っていて!
新長田が舞台のアニメを作りたいなと思ってます
新長田に来てすぐに思いついたので、もう3年も温め続けてるんですけど・・
全然進んでないから、どうにかしないとなと焦ってきているんです(笑)
-記者-
もう作り始められてるんですか!
-Uさん-
オムニバス形式のものにしようとおもっていて、1つはなんとなく固まった案はあるんですけど(笑)
あと2つくらいエピソードがほしいなーと思ってます(笑)
-記者-
すごい楽しみです
アニメ化したら見ます!
-Uさん-
監督は細田守監督がいいなーって勝手に考えてます(笑)
それだけで見てくれる人がいるでしょ(笑)
それは、知らない人にも見てもらいたいってことなんですけど
あとは神戸のアニメ会社の方に協力していただいて、ロケハンをいっぱいして、生々しいまでの長田描写をもらいたいなーっていうのを思ったりしてます(笑)
-記者-
まちおこしの一環にもなりますね!
-Uさん-
いいでしょ?
いっぱいくると思いますよ(笑)
わたし前向きな心配しかしないので
人が来すぎたらどうしよう!って(笑)
人来すぎや!って怒られたらどうしよう!って心配してます(笑)
-記者-
お店も潤いますね(笑)
完成したら教えてください!
-Uさん-
ぜひぜひ!
あとおすすめ漫画の話もしていいですか!?(笑)
-記者-
ぜひ聞きたいです!(笑)

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「タイムスリップ漫画読み」のススメ

-Uさん-
最近の私のハマっているテーマっていうのが、時代のつながりというか、時代を感じられる漫画なんです
ちょっと古い漫画で、なんでもいいんですけど、私が最近特にハマったのは『静かなるドン』と『パチンコバクレツ娘』っていう漫画で、
今読むとぎょっとするような表現が結構あるんですよ(笑)
そこに、時代の変化が体感できるんです
パチンコバクレツ娘は、コギャルが出てくるような時代に描かれたものですが、まさに私はコギャル世代だったんです
今で言うインキャなんで、コギャルではなかったですけどね・・・
まあその世代に高校生だった「自分」と、子育てしながら働いている2021年の「自分」って、私の中では連続性を感じてる、特に大きく変わっていないと無意識に思いながら暮らしているんです
それなのに、当時の時代背景を色濃く映した漫画を読むと驚くことが多くて
そこに時代の変化をものすごく感じて・・・
この表現、今ならNGだよな、絶対叩かれるよな、でも当時はそれが当たり前だったから、漫画家も描くし、編集も通したし、読者もそれを受け入れていた、そして自分もその時代にいた・・・
そしてそこからいつの間にか変わってしまった時代、世間の常識、そして自分っていうのも発見できるっていうのが面白いなって思って
隔世の感を感じる漫画の時間の旅、「タイムスリップ漫画読み」っていうのを、今楽しんでるっていうところなんです
-記者-
そういう読み方も面白いですね
-Uさん-
ほんと、このタイムスリップ感が癖になるっていう
おすすめです
-記者-
昔読んだ漫画掘り起こしてきます

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あなたにとっての漫画あるいは多文化共生とは

-記者-
最後にあなたにとって、漫画とは、そして多文化共生とはについてお伺いしたいのですが
-Uさん-
わたしにとって漫画とは・・・・日々の営みそのものって感じですね
-記者-
日々の営みそのもの
-Uさん-
そうですね、その人生のほとんどの時間を漫画と共に過ごしているじゃないかっていうくらい漫画をよんできていたので
情緒・知識・感動・・・成長に必要なものの多くを漫画から吸収したと思ってます

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そして多文化共生とは、ですが、
漫画を読む時の視点をここで考えてみたんですが、漫画って誰かの視点で物語が進みますよね
誰かの人生のある時間を一緒に体験しているみたいな
もともと質的調査の極地である文化人類学をやっていた私が多文化共生について関わるというのは、やっぱり個別の誰かの人生、生活、感情、変化こういったものに注目したいということになるんです
どんな人の人生も、もちろん私の人生も、記者さんの人生にもドラマがありますよね
-記者-
はい
-Uさん-
ルーツに限らず、いろんな人の人生のドラマを知っていきたい
あれ?こんなこと言ってると、まるで人が好きみたいな感じがしてきますね?
ずっと、人が嫌いなのに文化人類学なんてやり始めてしまった・・・って思っていたのに(笑)

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