「新長田を彩るプレイヤー 〜木を愛し、新長田を愛する建築家〜」-Part3-
合同会社r3 合田さん
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-記者-
元々建築に興味を持ったきっかけは何ですか?
-合田さん-
建築に興味持ったというか、中学の時から看板屋さんでバイトしてて
高校もたまたま工業高校行って、バイトをしていい学校だったのでずっとやってました
色彩とかって難しい言葉では習ってないけど、色の配置であるとかバランスとか
はそこで学んだというか、なんとなく教えてもらった
しかも、お金もらいながら
そこが僕の原点というか
-記者-
そのバイトってデザインするわけではないですよね?
-合田さん-
デザインもします、全部します
文字も作ったりもするし
今やったらパソコンの中でCG作ったら色んな角度で見れるけど
前は手書きで全部書いてたから
-記者-
看板屋でバイトをしようと思ったきっかけはなんだったのですか?
-合田さん-
物作りが好きな親戚のおじさんがそこの看板屋さんに出入りしてて
そのおっちゃんが「おもろいとこあるから連れってったるわ~」言うて、連れていかれたのがきっかけです
行った日から、「お前これ書いてみい」って言われて
いきなり看板下書きもなく書かされたんですよ
それで2000円もらえたんですよ、その日に
その頃中学生の僕は、なんか書いてこれが商品になるってすごい仕事やなと思っちゃって
「これまた明日も来ていいですか」って言って、そこからどんどん続くようになって
未だに僕がデザインしたり、そこの作業場を使わせてもらうことあったり、
そこの息子さんたちと一緒にものづくりをやってます
-記者-
すてきですね
中学生でその経験ができるってすごい貴重な経験ですよね
-記者-
もとからそういうデザインとかに目覚めつつあったんですか?
-合田さん-
そうやね
日常的な感じかな
-記者-
日常の中で自然とデザインとかをされていたということですか?
-合田さん-
小学校の犬小屋をいっぱい作って、友達にあげたりとかしてました
まわりに賢い友達いっぱいいて、本棚が欲しいブームがあったので
本棚をいっぱい作ってみんなにプレゼントしたりして
だから今とあんまり変わってないよね、やってること
-記者-
その時からきっと好きやったんですね
-合田さん-
その時も自分ができることで、あまりお金かけずパパっと作ってしまうみたいな
相手の需要が分かって作りだすみたいなことをずっとやってたかな
-記者-
それが今にもつながっているという
-合田さん-
今にも(笑)
結果一緒やんていう
-記者-
すごいですね
工業高校に行ったきっかけも、それがあってですか?
-合田さん-
そうそうそう
卒業作品展を小学校の時から見に行ってて
自分が高校受けるってなったら、あそこの高校行きたいなって思って
工業高校インテリア科っていうとこに入学しました
-記者-
この事務所は木を最初に建てたときいたのですが、この木ですか?
-合田さん-
この木ですね
手あかがついて黄金に光ってきてる
-記者-
そうなんですか??
絶対塗っているんやと思ってました
-合田さん-
塗ってないあれ自然の木の色で
-記者-
ああいう風になるもんなんですね
これを最初に置いたきっかけはありますか?
-合田さん-
なんか「木を立てて人が集まるみたいなイメージ」があって
邪魔やけど店の真ん中に木立てたいなって思っていたんです
その時にある銘木屋さんの一番奥にもう使われなくて眠ってた木があって、
それを「これなんか変な形ですやん、ぼく持って帰っていいっすか」
と一目ぼれで持って帰りました
ほんで陽が当たってなかったこの木が、みんなのシンボルになって、みんなが集まってくれて
そういう蘇らすというか、普段こういう使い方せえへんのにこう使ったらこうなったみたいな
-記者-
この木もうれしいですよね絶対
倉庫で眠ってたのにっていうて
-合田さん-
そうそう
工事中に横に倒しとったら邪魔なんで、先に立てたんです
そしたらみんなが外側から見てて「あれ、こんなとこに木立っとったっけ」みたいな
そこから話題になって
-記者-
それを固定しちゃってたんですか
-合田さん-
下と上と
僕の手掛ける空間はほぼこういう木とか緑とかを必ず提案で入れさせてもらってて、
「木を立ててよければ仕事受けますよ」って言うんです
-記者-
それが条件なんですね
-合田さん-
「それがあかんかったら他の人に頼んで」って
-記者-
木にこだわるのは人が集まるものにしたいっていうことからですか?
-合田さん-
そうそうそう
今もあると思うけど三宮にペンギンがおるバーがあって、なんかお酒というよりはそのペンギンに会いに行くみたいな
「あそこの店、木あったよね」みたいな、そういうみんなの印象に残る所になればっていうのがあって
r3ってよう分からん名前やけど、「あの店の真ん中に木あるところ!」ってなってくれたらなぁと
-記者-
そういう印象を
-合田さん-
ほんなら子供も高齢者も分かりやすいやないですか
-記者-
確かに!
木や緑を最初に使い始めたのっていつ頃ですか?
-合田さん-
それはやっぱり自分の家かな、
16年前に自分の家を工事した時に
その前から木はめっちゃ好きなんですけど
-記者-
おうちに木を立てたのが最初
-合田さん-
それを立てたのが最初のきっかけで
自分も木を触ったり見てたらなんか安心感があるし
シンボルツリーにもなるし、みんなに覚えてもらえるしみたいな
それで木って素敵やなって
-記者-
すごい温もりがある印象ですね
色んな方が集まる
-記者-
最後に「合田さんにとって〇〇とは?」をお伺いしたいと思っています
-合田さん-
〇〇とはなんなん?
-記者-
その人の趣味とかこだわりになるんですけど、
合田さんであれば、お話の中で伺った家づくりであるとか、アートとかそういったものになると思います
ずっと小さい時からモノを作るってことをやってきた結果が、今こういう合田さんの周りに集まる人々を呼んでいると思うんです
合田さんにとってデザインとは?みたいに抽象的にとらえていただいて大丈夫です
-合田さん-
デザインとは笑
なんかじゃじゃーん!みたいな感じですね
デザインとは…いやなんも意識してないですけどね
なんかやっぱり…その表現が合ってるかわからないですけど
「君の仕事は、作った以上は色んな人が見て、良いも悪いも評価してもらえるところがすごいなぁ」って父親から言われたことがあって
なんかそれを俺も子供たちに伝えたいかなぁっていうのはありますね
なんかその良い評価、悪い評価は置いといて、なんか色んな人に見てもらえる仕事なんだよっていう
「おもろいもん作ってる人おるで」
って紹介してもらえることもあるし、次につながるってこともあるし
なんか評価される仕事っていうのはその時初めて気が付いたっていうか
すごい仕事をさせてもらってます!笑
僕らも小さいものを、例えば廃材の瓶で照明作りましたっていうたら、色々な人が見てくれるんですよ
写真撮っていく人もおるし、
「どうやって作ったんですか」、「また教えてくださいよ。僕も作りたいです」っていって会話になったりもします
そういう「行動などの連続性を生む」しかけというか
「ものづくり」ってそういうことなんやろなぁと思ってますね
-記者-
モノづくりが、つながりを作っているんですね
ありがとうございます
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