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「新長田を彩るプレイヤー ~地方の私立大学職員、地球規模の人口移動にともなう社会問題を本気出して考えてみた~」-Part1-

-Uさん-
地域の人たちが蓄積してきた活動の中に、既に結構なトライアンドエラーが含まれているので、そこを学ばずに新しく始めるっていうのは人類の文化や歴史の無駄だなと思っていて・・・
だから、まずはそれをよく見て学んで、それぞれの団体でやられてることを繋いでいけたらいいなと思ってます
そしてそれを教育に反映させたい
それが本来的な大学の地域貢献かなと

神戸常盤大学 社会連携課 Uさん

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新長田のショッピングカートは
もはやインフラ

-記者-
新長田図書館前館長のNさんからぜひということでご紹介いただきました、Uさんです
新長田との関わりは約3年前からということですが、この地域に来られて独特だなって思ったこととかありますか?
-Uさん-
1番最初に来て驚いたのは、いたるところにショッピングカートが置き去りにされているところですね(笑)
え?これあの地下のスーパーのでしょ?みたいな(笑)
同僚に聞いたら、新長田あるあるだって言ってました
誰が回収してるんだろう・・・
-記者-
たしかに(笑)
-Uさん-
逆にこのあるあるをまちの公式の機能として取り込んでしまってもいいかもしれないですね!
新長田ってスーパーが駅前商店街の地下に集中してるじゃないですか
個人商店も多いしスーパーも含めて商店街全体に共通のショッピングカートにしておいて、どこで買い物してもいいし、どこに使い捨ててもいいってことにするとか
カートごとに地域のお店の広告をつけてみたりして
-記者-
それよさそうです!
-Uさん-
あとは、駅前の噴水で子供が寝そべって遊んでる風景ですね
見たことあります?
-記者-
あります、あります
水着きて遊んでますよね
-Uさん-
そうそう、完全に頭も地面につけてたりして
「あれ?これってみんなが土足で歩いてるとこちゃうん?」って最初は思いましたが、すぐ見慣れました(笑)
-記者-
おむつ付けた子が水遊びして、おむつがパンパンになって歩いてますよね(笑)
-Uさん-
そうそう!パンパンにね(笑)

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田舎から見る、新長田の景観の複雑さ

-記者-
新長田に来て、ここいいなって思ったところはどこですか?
-Uさん-
キャラが立った住民の方がすごく多くて、ちょっとした対立が多くて、つまりそれって地域がまだ元気なんだろうなって思います
新長田人物録みたいなの作ってみたいですね
あと、多文化共生的な景観ですね
韓国、ベトナム、中国、ミャンマー・・・、それぞれの料理店もあれば食材店、宗教施設、コミュニティ・・・そういった景色が日常にあるところですね
-記者-
新長田ではいろんな国籍の料理が楽しめますもんね
-Uさん-
最近はベトナム料理のお店が増えてきていて・・・六間道のあたりとか
新長田とは離れますが、長田区と兵庫区との区境のところにも増えています
2020年3月に日本のエスニック料理について研究してるベトナム人留学生と、長田区〜兵庫区間のベトナム料理の店を踏破しようとしましたが、今はその時よりも増えていますよ
-記者-
すごいですね、全踏破!
ベトナムの方が多く移住されてきているんですね
-Uさん-
そうですね
長田区のベトナム系の住民の方の増加は、インドシナ難民を由来としています
インドシナ難民の受け入れは、西日本は姫路が玄関口だったんです
姫路に設けられた定住促進センターで一定期間の日本語の教育を受けて、就職の斡旋や自ら仕事を探して、長田でケミカルシューズ産業と出会って、長田に定着した・・・
大雑把な説明ですが、そういった歴史があるんですね
それから家族の呼び寄せもあったでしょうし、今はコミュニティが大きくなっていますので、そこに暮らしやすさを感じて来られる方もおられるでしょう
-記者-
そういった背景があるんですね
-Uさん-
そうですね
ベトナムの方でも政策として1990年代から海外への出稼ぎ労働をやっていますので、その影響もあると思います
行き先は日本だけでなく、韓国やヨーロッパ、世界中でベトナム人が増えています
-記者-
どこの国に行ってもベトナム料理のお店が多いのはその影響なんですね
最近は中華料理と並ぶくらい見かける気がします
-Uさん-
勢いがありますよね
-記者-
確かに新長田はベトナム料理店とか、いろいろな国のお店が多いですね
少し歩いたら平壌冷麺のお店があったり
-Uさん-
おいしいですよね、平壌冷麺!
私は田舎育ちなので、都会の景観・・・例えば都会らしい高齢化や、過疎化、そして多文化、いろんなことがものめずらしく感じられます
-記者-
良い意味でいろんな文化が混ざってるといいますか
人も濃いですし
-Uさん-
人はもう、濃いですね!
それはもう多文化関係なく、みんな濃いなと思います(笑)

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子どものうちこそ楽しい出会いを

-記者-
多文化共生関連の活動について教えていただけますか
-Uさん-
私は大学と社会との連携を担当する社会連携課に所属しています
そこで授業もいくつか担当しながら、地域とどんな連携ができるか、どんな地域貢献があり得るかを探る研究をしています
私がここに来た時、新長田といえば多文化のことをするしかないと思いました
元々文化人類学をやっていたこともあるし、学生時代にベトナムに留学していたこともあったので、そういった自分自身の特性を生かした、大学の地域貢献のあり方を探ろうかということで始めました
今も調査や研究はずっと継続しています
最近は、”子どものうちから多様性や多文化に楽しく触れる機会を”ということで、「多文化こどもカフェ」を開催しています
私が敬愛する長田の濃い人のうちの1人、神戸コリア教育文化センターの方からの受け売りですが、「幼い頃の楽しいふれあいが、大きくなってからの出会いや経験を、より実りあるものにしてくれる」という考え方のもと行っています
※多文化こどもカフェ・・・神戸・長田の多様性を、食・遊び・ものがたり・表現を通してこどもたちと一緒に楽しむイベント。不定期開催

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