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散文山行 #02 登山アプリ入門の、さらに手前の準備の話
登山にスマホ、マル必派
登山の時、スマホを忘れたらどうしますか?
僕は、多分、帰っちゃいます。
山に入る時は、地図とコンパスを持ちましょう。...と、大抵の本や記事には書かれていました。が、近年は登山地図アプリの方がオススメされることが多くなってます。そうなると、必携なのはスマホとモバイルバッテリーなのです。今日は、そんな登山地図のアプリの使い方..ではなく、さらにその手前の準備について考えてみましょう。
誰かについて行くだけのハイカーもたくさんいますが、できる限り誰もがアプリを使えるようになるのが理想です。というか、当たり前のマナーになるといいなと思います。
1. 地図はオフラインでアクセスできるようにしておくこと。2. GPSで現在地を知れること。これが絶対条件です。もし、使えない/使ったことがないのであれば...さぁ、練習です!
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練習は、街でGoogle MAP
初めて行く地下鉄駅の出口を出た後、地図を見れば進むべき方向がすぐわかりますか?毎回迷っちゃう?実は意外と、地図で現在地と進むべき方向を把握することに慣れていない人が多い気がします。慣れた街で地図を使うことは少ないし、車のナビは右か左に進む指示に従うだけ。そんな人におすすめの練習法は...まずはGoogle MAPです!地図と自分の位置と、進むべき方向を把握し、目的地まで辿り着くこと。これは街の中でも山の中でも一緒。まずは日常的に地図アプリに慣れておくと良いと思います。基本、地図は北を上に固定。ナビ機能は使わずに目的地を目指しましょう。
山の形を知れば、等高線は怖くない
登山の地図読みの解説を見てると、いきなり地形図(あの、うねうねのシマシマの地図!)を見せてるものが多いのですが、あれ、怖くないですか?
街との大きな違いとして、山では上下方向の把握が必要になります。高低差であり、地形、つまり山の形ですね。基本、歩けるのは、斜面が緩やかな坂道だけ。これを、あのウネウネ(等高線)から読み取ります。...と、言われても、想像つかない人も多いかも。
ここでも、Google MAPが役立ちます。「地形」というボタンを押すと、山地の地図が立体的に見えるはずです。次に行く山の形がどうなってるのかよく見てみましょう。出っ張りは山頂。窪みは谷や沢ですね。「山って、こんな形をしているんだ」と知ってから等高線の地図を見ると、立体的に見えてきませんか。見えてきますよね。そう、見えてくるんです。笑
初心者や苦手だなと思う人は、陰影がつけられた地図(地形図)を見てみると良いでしょう。雑誌の付録などについてくる、情報が豊富な地図はイメージしやすいです。慣れてくると、天気図すら立体に見えてきますよ。
さて、ここから先は奥が深い読図の世界。詳しい解説は書籍でもwebでもたくさんあるので、覗いてみてください。
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機内モードで練習!練習!
さて、うねうねが立体に見えたら、行きなれた山で登山地図のアプリを使って練習しましょう。最低、3回くらいは行ったことあり、地図なしで迷わず歩ける道で。GPSだけで正しく現在地を示してくれるかテストするため、機内モードで携帯電波は切ります。山の中は大抵圏外なので、電波を切った方が電池が長持ちしますよ。
現在地と目的の山頂を地図で見つけたら、登山道を歩いてみましょう。分岐では必ず確認。分岐直後はこまめにアプリを見て、歩きたい道を歩けてるか確認します。
少し慣れたら、同じ山域の初めて歩く道などで徐々に上手くなりましょう。
備えあっても憂あり
さて。ここまでの話で「自分には登山地図アプリは無理だな」と思う登山初心者の方は、なるべく慣れた誰かと一緒に出かけましょう。連れてきてもらっている、という謙虚な気持ちで。はぐれたら一人では帰れなくなる覚悟をもって。リーダーの指示に100%したがってください。それほどに、登山地図アプリを使えるか使えないかの差は大きいと思うんです。安全性が格段に上がるんです。
とはいえ、スマホも地図アプリも万能ではありません。落とす、壊れる、電池がなくなる、で、一気にピンチです。その備えとして、紙の地図とコンパスは必携なのです。
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地図と歩く登山は、それ自体が楽しみでもあります。地図で想像した景色と、実際に見る景色のギャップに驚くことがよくあります。いつも想像以上の感動をくれるのが、登山の醍醐味ですからね。
「散文山行」は、登山趣味歴10年のKによる思考実験的な山エッセイです。
不定期更新です。