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【第20回】小林農産のフォレストガーデン(後編)

“第19回 小林農産のフォレストガーデン(前編)”
(https://note.com/kobayashinousan/n/ndc8011e52b56)では、小林農産が目指すフォレストガーデンの取り組みをお話ししました。
今回の後編では、私が考えるフォレストガーデンの役割や食との関わりについてお話ししたいと思います。

(1)フォレストガーデンと食

フォレストガーデンでは何百種類もの多年草、宿根草の作物・植物を栽培し、食用していくことを紹介しています。小林農産でも実りがつく作物や植物を数多くできるように栽培を目指しています。
 
 ところで、私たちの多くが習慣的に食べている作物は何種類くらいだと思いますか?実は習慣的に食べている作物の種類は20種類程度と言われているそうです。
 ではなぜフォレストガーデンでは、何百種類も作物や植物を栽培するのか。私は自然を守りながら食を豊かにするためだと考えています。この豊かさは種類のことだけではありません。
 現代では、スーパーへ行けばいつでも様々な野菜や果物などを買うことができます。便利になった反面、「旬」を感じることが少なくなってきているのではないかと思うのです。旬のものを旬の時期に楽しむ。これも食の豊かさなのではないでしょうか?自然の力がたくさん蓄えられているからかもしれません。
 さらに、本来の時期に他植物と一緒に栽培することで農薬をなくし、肥料も少なく育てることが出来ます。これも小林農産が目指している手間をかけすぎない里山果樹農園に適していると考えています。

甘夏の収穫体験の様子。子どもたちは木に実った果物に興味津々。

(2)フォレストガーデンの役割

 私は、フォレストガーデンの役割は「生きる知恵の伝承」ではないかと考えています。
 (1)で食の多様性についてお話しましたが、せっかく育てた作物も「食べられるもの」「活用できるもの」ということが分からなければ、ただの雑草と同じです。
 私が子どもの頃は、家の近くにたくさんの自然があり、そこで祖父母や両親、近所に住む方から動植物について教えてもらう機会がたくさんありました。
 現在、自然との触れ合いが少なくなる中で、作物や植物の種類が分からない世代も増えているのではないかと思います。また、自然の中での知恵や、危険な動植物といった知識を持っている人も少なくなっていると感じます。
 フォレストガーデンで多種多様な植物を育てることで、そうした「生きる知恵」を若い世代へ繋いでいくことが出来るのではないかと考えています。

里山体験での生き物とのふれあい。

 小林農産でのフォレストガーデン創りの取り組みはまだまだ始まったばかりです。
 私が目指している自然の力を借り、植物の本来持っている力を発揮してもらえるようにして、手間をかけない里山果樹農園に少しでも近づけるよう、これからも取り組みを進めてまいります。
 
小林農産ホームページはこちら
https://kobarin-fruits.com/