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ゆく年を振り返る、12月の便り。

最近、すこし意識的に日々の記録を残してみようと思っている。

いま目の前にある時間に、たいそうな意味づけをすることは難しい。けれども今年、生と死について考えさせられる出来事がいくつかあり、人生という限られた時間のなかで得た知見や感じたことは、なによりの宝物なのではないかと思うようになった。

きれいな石を集めるように、日々の思い出を大切に仕舞っておこう。そのうちどれかは、光り続ける記憶となって、先の人生を照らしてくれるはず。

そんな思いで、写真30枚とともに2024年を振り返ります。

4年半暮らした山形と、お別れのとき。
庄内は山に囲まれたきれいな土地。
人はやさしく、ごはんはおいしい。
また遊びに行きます。
十和田湖に移り住んでからは、
目の前に広がる景色のうつくしさに
シャッターを切らされる毎日だった。
毎日表情を変える湖。
お弁当をつくって湖畔でピクニックをしたり
ワインを飲みながら、夕陽を眺めたりした。
新鮮な感動。
再びは取り戻せない、貴重な時間を過ごした。
森を歩いて、出会う植物を愛でたり
渓流で追いかけっこするヒメマスを見つけたりした。
父と妹が遊びに来てくれた日、一緒に乗った
八甲田ロープーウェイから見えた紅葉も
記憶に残っている。
苔や地衣類、変形菌など
小さいものたちの世界を知るのもたのしかった。

二周目からはもっと違う見え方、感じ方があると思うので、深めていくのがとてもたのしみ。

12月の十和田湖畔は、毎日当たり前のようにマイナスの気温で、何日も前に降った雪が溶けず根雪になった。白が光を反射するおかげで窓の外は明るく、グレーのコンクリートが見えているときよりもわたし好みだ。

それがどんなにきれいでも、なかなか布団から出られずに、気づけば正午を迎えてしまう日もある。「冬はつとめて」なのに早朝は寒すぎて起きられたことがない。

勿体無いように感じるけれど、落ち込まないようにしよう。こんな寒さは未体験で、きっと少しずつ身体を慣らすしかないので、いまできないことには目を向けず、仕方がないと受け入れていよう。

太陽に会えるとうれしくなる。
YUKI FUJISAWAさんのニット帽をお迎えした。
お守りのようなアイテム。
白く染まる奥入瀬渓流。
「喫茶 憩い」からのぞむ十和田湖。
憩いで鍋焼きうどんを食べる時間が幸せ。
この時期、観光客はほとんど見ない。
静かな時間が流れている。
オオウバユリはどの季節に見てもかわいいな。
豪快なつららがそこかしこに。



新鮮な日々はたのしかった一方、整えなければいけないことばかりで、途方に暮れる日もあった。そんなときはどこか遠くへ出かけると気が楽になり、旅の効能をたしかに感じた。

日常を大切にするためにも、これからも定期的に旅に出ようと思う。

山形にある「文翔館」の庭園。
木陰がきもちよく仕事もはかどった。
沼津で宿泊したホテルからみた景色。
愛鷹山から顔を出す富士山。
宮城の「塩竈神社」。
うつくしい緑と石段が印象的。
ことし泊まってよかった宿は、盛岡の「別荘佳景」。
秋田の人形道祖神「鹿島様」を探しに。
石巻の旧北上川。
のどかな時間が流れていた。
旅のなかで学ぶことがたくさんあった。
姉が長年付き合っていた彼と婚約した。
みんなで盛岡の夜を満喫したうれしい思い出。
鳥海山の麓は水がきれい。
「元滝伏流水」を目指して歩いてるときの一枚。
酒田にある「土門拳記念館」。
石川真生さんの展示「私に何ができるか」をみて
刺激をもらった。

旅先から十和田湖に帰ってくると、まずはじめに空気がきれいだなぁと思う。水や緑、自然がたくさんあるというのは、空気がおいしいということなんだね。

とくに湖の近くには、清らかで冷たい空気が漂っている。ほんとうに気持ちがよいので、ただ深呼吸をするためだけに訪れてみてほしい。



元旦の能登地震からからはじまり、命についてたくさん考えた一年。身近なところでは、叔母が愛情をかけて育てていた水色のセキセイインコ、るーちゃんが虹の橋を渡った。

きっといまごろ、るーちゃんが暮らしたサンルームよりも、もっと広くうつくしい場所で、自由に飛び回っていることだろう。

人懐っこく、おしゃべりなるーちゃん。
親戚中、みんなるーちゃんがだいすきで
会えるのをたのしみにしていました。
たくさんかわいい姿を見せてくれて、ありがとう。

同じころ、わたしのお腹に小さな命が宿っていることがわかり、命のバトンを受け取ったような気持ちになった。ぽっこり膨らんできたお腹を何度も触ってそのかたちを確かめては、無事会えたらいいなと願っている。

来年も、いい一年になりますように。

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小林 まき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!