現像したフィルム写真に、地元横浜への愛が詰まっていた。
その街のことをよく知っているからこそ、撮れる写真というものがあると思う。わたしはそういう写真がとても好きだ。普段から、人でも場所でも着飾ったよそいきの表情ではなく、いつもの飾らない姿を見たいと思う方で、物事がもつ素朴な一面を愛している。
春の近づくとある日、わたしは横浜で時間を持て余していた。仕事ついでに帰省したものの、実家の鍵を持っていなかったため母親の仕事が終わるまでひとり時間をつぶすことに。ちらほらと桜が咲き始めていたので、桜木町駅で下車して大岡川を目指した。
都会