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赤ら顔の人に朗報! 「NEOSTRATA」がすごい

こんにちは。皮膚科医の小林智子です。

普段は名古屋栄にある「こばとも皮膚科」という一般皮膚科・美容皮膚科の院長として働く傍ら、SNSでスキンケアや美容医療、ニキビや酒さなどの皮膚疾患について発信しています。

今回、予想以上に酒さの患者様にご好評いただいていながら、日本であまりにも認知度が低いスキンケアブランド「NEOSTRATA」についてご紹介したいと思います。

本記事にアフィリエイトなどございません。良いものはぜひお悩みの方に知っていただきたいと思い、詳しく書けるnoteを選びました。


そもそもNEOSTRATAってどんなブランド?

まず、ほとんどの方がこの「NEOSTRATA」というブランドを耳にしたことがないのではないのではと思います。

NEOSTRATAというのはアメリカのドクターズスキンケアブランドなのですが、ストーリーが少し変わっていて、元々は他のスキンケアブランドに原料を卸す原料会社からスタートしています。

原料会社として、様々な原料に対して特許を取得しているのがNEOSTRATAの強みで、中でも有名なのがペプチド、そしてαヒドロキシ酸やポリヒドロキシ酸といったピーリング成分となります。

そんな自分たちが取得した特許成分で使って化粧品のカタチにしたのが「NEOSTRATA」というブランドになります。


私のNEOSTRATAとの出会い

私がこのNEOSTRATAを初めて知ったのは2024年の3月にアメリカ皮膚科学会(AAD)に参加したときでした。

日本でもそうですが、皮膚科学会では企業ブースがあってそこに様々なレーザー会社や化粧品会社などがブースを出して自社の製品を紹介しています。

アメリカの場合、ブースが端から端まで歩くと10分ほどかかるほど規模が半端ないのですが、その中でNEOSTRATAは中央の一番目立つ場所でどでかいブースを出していて、とても目立っていました。

NEOSTRATAのブース

そこでいくつかサンプルをもらったのですが、その中で特に「Restore(復元する、戻すという意味)シリーズ」のクリームや美容液のコンセプト成分にとても興味を持ったのです。

それが「グルコノラクトン」「ラクトビオン酸」というポリヒドロキシ酸

いずれもNEOSTRATAの特許成分なのですが、私がこのポリヒドロキシ酸を面白いと思った理由は、これまでの報告でこれらの成分が

赤ら顔「酒さ」の改善に効果がある、といったものがいくつかあったからです。(具体的な効果については後で触れたいと思います。)

AAD参加当時は開業前のタイミングだったのですが、元々クリニックを開院したら酒さの治療には特に力を入れたいと考えていたので、その矢先での出会いに「これは絶対クリニックに取り入れたい!」と強く思い、帰国したのを覚えています。

帰国後の紆余曲折

というわけで、AADから帰国後すぐに日本の代理店を見つけ、NEOSTRATAの製品を開院時に取り入れたいとの旨を伝え、いよいよ契約書を交わしたタイミングで、予想外の事件が起こりました。

それは、日本代理店の倒産です。

せっかく契約書を交わしたのはいいものの、いよいよ製品を発注する手前で、NEOSTRATAをこばとも皮膚科で扱う機会がかなわなくなってしまったのです。

当時の担当の方とは何度も何度も連絡を取ったのですが、結局NEOSTRATAの今後の取り扱いについては未定の状態が続き、その間に2024年6月1日の開業日を迎えることになってしまいました。

その後は、私も開業後のバタバタでNEOSTRATAのことを正直忘れていたのですが、開業してやはり酒さの患者さんを多く診るようになり、少しずつ

酒さの患者様向けのスキンケアアイテムを増やしたい

と思うようになりました。

そして2024年10月、改めてNEOSTRATAの取り扱いについてリサーチをしてみたら…あったのです!新しい代理店が!もちろん即連絡しました(笑)。

ポリヒドロキシ酸の効果について

前置きが長くなりましたが、肝心のこのアイテムについて紹介していきたいと思います。

NEOATRATAには肌悩みに応じていくつかのシリーズがありますが、当院でまず取り扱うアイテムは先ほどお話しした「Restoreシリーズ」となります。

このRestoreシリーズに共通して配合されているコンセプト成分は「グルコノラクトン」「ラクトビオン酸」といったポリヒドロキシ酸(PHA)ですが、そもそもどういった効果があるのか、解説したいと思います。

ポリヒドロキシ酸というのはヒドロキシ基(-OH)がたくさんついていて分子構造が大きく、その分浸透がマイルドで通常のグリコール酸などのピーリング成分よりも刺激が少ないのが特徴です。

これまでの報告でポリヒドロキシ酸には

  • 肌の水分量の増加、経表皮水分喪失(TEWL)の減少による皮膚バリアの改善

  • 抗炎症作用

  • 抗酸化作用により紫外線のダメージ軽減

  • 紅斑、毛細血管拡張の軽減

  • 皮脂の調整作用

というような効果があることがわかっています。

参考文献:
Berardesca E, Distante F, Vignoli GP, Oresajo C, Green B. Alpha hydroxyacids modulate stratum corneum barrier function. Br J Dermatol. 1997; 137(6): 934-938.

Bernstein EF, Brown DB, Schwartz MD, Kaidbey K, Ksenzenko SM. The polyhydroxyacid gluconolactone protects against ultraviolet radiation in an in vitro model of cutaneous photoaging. Dermatol Surg. 2004; 30(2/1): 196.

Jarząbek-Perz S, Mucha P, Rotsztejn H. Corneometric evaluation of skin moisture after application of 10% and 30% gluconolactone. Skin Res Technol. 2021; 27: 925-930.

Urszula Ryś, Małgorzata Dudek. The use of lactobionic acid and gluconolactone in the treatment of couperose skin. A case report. Aesth Cosmetol Med. 2024;13(3):121-124.

酒さの状態とそれに基づく理想のスキンケアとは

では次に、酒さとはそもそもどういった状態なのかというと、酒さは紫外線照射、活性酸素種、血管の過敏反応、神経ペプチド、デモデックス(ニキビダニ)などの様々な原因で自然免疫反応の調整に異常をきたし、慢性的な炎症をもたらす疾患です。

酒さの症状としては顔の赤み(紅斑)、火照り、毛細血管拡張、ブツブツ(丘疹、膿疱)といった症状を認めます。

ブツブツに対してはロゼックスゲルやイベルメクチン、アゼライン酸などが有効ですが、赤みや火照りに対してはあまり効果を認めないことが多いです。

ロゼックスゲルなどの薬の使い分けについてはこちらの動画もご参照ください。

また酒さでは慢性の炎症による結果か、あるいは元々かは完全に明らかになってはいませんが、バリア機能の低下も伴うことが指摘されています。

バリア機能の低下があると、皮膚の常在環境の異常(それによるデモデックスの増加)やpHの異常、肌の水分蒸散量が増えて肌の水分量が減り、さらにバリア機能が低下するといった悪循環をもたらします。

そのため、酒さのスキンケアでは

  • バリア機能を高めるケア

  • 常在環境やpHに着目したケア

  • 抗炎症や紫外線によるダメージを軽減するための抗酸化ケア

この辺りがポイントとなってきます。

私が酒さの患者様におすすめしている成分の一つは
トラネキサム酸
です。

これまでの報告で、トラネキサム酸には抗炎症作用やバリア機能の改善効果があることがわかっています。

ただ、トラネキサム酸は日本においては美白アイテムに配合されていることが多く、酒さの方の中には刺激を感じてしまうこともあります。

また、上記のトラネキサム酸の効果は5%〜の報告がほとんどで、市販のトラネキサム酸配合のアイテムは医薬部外品の有効成分で2%程度であることから、少し効果が弱い可能性もあります。

それで自分が作ったのがトラネキサム酸5%と、同じくバリア機能の改善効果をもつナイアシンアミドを4%配合したTAジェルです。

TAジェル

こちらは酒さの方をはじめ、すでに多くの方にご好評をいただいています。

そしてトラネキサム酸以外に酒さの患者さんに有効だと思われる成分が、グルコノラクトンやラクトビオン酸などのポリヒドロキシ酸(PHA)となります。

「Restoreシリーズ」の紹介

お待たせしました。ここからはアイテムについてご紹介していきたいと思います。
今回当院が取り扱うアイテムは以下の3点です。

  • Bionic Face Serum(バイオニックフェイスセラム)

  • Bionic Face Cream(バイオニックフェイスクリーム)

  • Redness Neutralizing Serum(レッドネスニュートラライジングセラム)

それぞれ製品を説明したいと思います。いずれもパッチテスト済み、無香料です。

Bionic Face Serum(バイオニックフェイスセラム)
30ml 13,500円

Bionic Face Serum

PHA(ラクトビオン酸)10%配合した美容液です。それ以外にアスコルビン酸テトラヘキシルデシル(脂溶性ビタミンC誘導体)などの抗酸化成分も配合されています。

さらっとしたテクスチャーで伸びも良く、1〜2プッシュと少量でも十分です。

少しペタッとした感じがしますが時間が経てば馴染みます。

乾燥する場合はクリームとの併用がおすすめです。

Bionic Face Cream(バイオニックフェイスクリーム)
40g 11,000円

Bionic Face Cream

PHA(グルコノラクトン、ラクトビオン酸)12%配合のクリーム。

クリームですが塗るとさらっとしていてベタつきは少ないです。

Bionic Face Serumと併用する場合はセラムの後に塗ります。

ノンコメドジェニック処方。

Redness Neutralizing Serum(レッドネスニュートラライジングセラム)
29g 13,200円

Redness Neutralizing Serum

Restoreシリーズはいずれも赤みに効果的な処方ですが、中でも赤みに対して臨床試験も行っている赤み特化型の美容液がこちら。

PHA(グルコノラクトン、ラクトビオン酸)6%と上記2アイテムよりはやや低濃度ですが、それ以外に抗炎症・抗酸化作用をもつハーブ抽出成分やビサボロール、そして血流をサポートするカフェインなどを配合しています。

Bionic Face Serumと比較すると乳液に近いテクスチャーで、保湿もされるのでこれ一本に、さらに必要あれば少しクリームを足すくらいでも十分です。

※こちらのアイテムの取り扱いは2月以降を予定しています。

実際に使用された患者さんの感想

こちらのサンプルを取り寄せ、実際に酒さで通院中の患者様何名かに使用していただきました。

特に刺激を感じられた方はおられず、テクスチャーについても使いやすいとの声が多かったです。

中でも印象的だったのが、使用開始してすぐに効果を実感される方が多いということです。

赤みに対してBBL(光治療)で通院されながらホームケアでBionic Serumを使用された患者さんの症例をインスタグラムでも紹介しています。

他にも、酒さの患者様でたまたま使用3日後に画像診断を撮ったら大幅な赤みの改善を認めたケースや、1週間で赤みが丘疹よりも先に引いてきたケースなどもあります(イベルメクチンやミノマイシンも処方しています)。

私自身、スキンケアでこんなに変わるものかと少し驚いています。
赤ら顔でお悩みの方にはぜひ一度試していただきたいです。(もちろん効果には個人差がありますが)

購入方法について

最後に、製品の購入方法についてご案内したいと思います。

NEOSTRATAのアイテムは、クリニック専売品となります。

Bionic Face SerumとBionic Face Creamは2024年1月中旬より当院でご案内可能となります。

Redness Neutralizing Serumは2月以降のご案内となります。

購入方法は、クリニックとオンラインの2パターンがございます。

クリニックにお越しになられる方は直接クリニックにてご購入ください。

<オンラインショップでの購入方法>
NEOSTRATAのアイテムは、通常のオンラインショップでは商品の紹介ページに飛べません。オンラインショップ内の専用URLが必要となります。

以下の方法でご購入いただけます。

  1. 公式LINEにご登録いただき、最初に配信されるアンケートで「赤ら顔」をお選びください。

  2. アンケート後に購入ページのリンク先が配信されますのでそちらよりご購入ください。

すでに公式LINEにご登録いただいている方には、製品の取り扱いが開始されたタイミングで配信がございます。もしすでにご登録いただいているにもかかわらず配信がない場合は、お手数ですがLINEのお問合せよりご連絡ください。

おわりに

酒さの改善には専門医による適切な診断と

  • 適切な薬(外用薬、内服薬)

  • 適切な施術(レーザーなど)

  • スキンケア

が非常に重要です。毎日使用するスキンケアは酒さの改善に大きなファクターとなってくるのはみなさんも容易に想像できるかと思います。
けれどもそれも適切な治療ありきの話です。

当院では酒さの患者様も多く診察しています。スキンケアについてもご指導させていただきますので、赤ら顔でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。




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