FF7Rは無印ユーザーの爆裂に上がり切った期待を裏切らないという話。
無印ユーザーのみなさんおなじみの、蜜蜂の館からこんにちは。
FF7のリメイクが発売されたので3日で50時間ほどプレイし、サブクエストをあらかた回収したうえでクリアしたのちちょっとクリア後のハードを遊んで心が折れた虎走かけるです。
この記事はFF7リメイク(以下7R)の感想を、PS4が許すキャプチャの範囲のネタバレもりもりでお伝えしていく予定ですので、「ストーリーを先に知りたくない!」って人は読まない方がよいと思います。
うるせぇ俺はこのゲームを遊んでも嫌な気分にならないかを事前に知っておきたいんだよ!という人向け。
じつは私も買うかどうかは悩んでた。
「私FF7かなり好きなんだけど、つまらなくリメイクされてたらどうしよう……」
無印FF7が好きでも、こんなふうに思って二の足を踏んでいるユーザーは意外と多いのではなかろうか。
私もそんなユーザーの一人だった。
PVを見ては「キャラデザがもうちょっと異次元に美形な方がよかったなぁ」とか「バトルシステムアクションゲー寄りになったのか酔っちゃうかなぁ」とか、いろんなことを考えて迷っていた。
好きなものほど大事にしたい。
リメイクが嬉しいけれど恐ろしい。
複雑なオタ心にさいなまれし私のスペックからお話しするが、私はFF7ユーザーの中ではライト層に分類される。
なにせFF7、当時馬鹿みたいに売れたので、関連作品がたくさんある。
・本編(リアルタイム履修)
・クライシスコア(ザックス主人公の話 未履修)
・ビフォアクライシス(タークスの話 未履修)
・アドベンドチルドレン(映像作品 リアルタイム履修)
・ダージュオブケロベロス(ヴィンセントが主人公 リアルタイムでやったけど酔ってやめた)
私が知ってるだけでこれだけある。
そして上記の通り、この中で私がまともに語れるのは「本編」と「アドベンドチルドレン」だけだ。子供のころはお金もなかったし大人になってからはなんとなく「今更なぁ」という気持ちが強くて手を出せなかった。
これで「私FF7詳しいんですよぉ」なんて言ったら命はない。
ぶっちゃけてしまえば「ザックス(FF7主人公のクラウドと仲良しなロンゲ)って本編に出てたっけ?」とか言い出すレベル。
今もザックスが無印本編で名前まで出ていたかちょっと思い出せない。
とはいえ情報としてザックスがどんな存在化はしっている。
その程度のライトユーザーが書く感想記事だ。
ではお付き合いいただこう。
先に結論だけ述べておく。
めっちゃよかった買ってよかった早く続編出してスクエニさんPS5のローンチとして出して頼む何でもするから。
■ノーマルとは名ばかりのハードさ
みんな体験版はすでにプレイしただろうか?
私は体験版をやらずに本編を買ったくちだ。
そもそも体験版っていいところで「はいここまでよ」ってされる感じがするので、実はあんまり好きじゃない。だから期待しているゲームほど体験版はやらないタイプだ。
まったく期待していないゲームとか、まるで知らないゲームでは逆にバンバン体験版に触れていく。
なので、私と同じタイプの人がいることを前提で、この項目を書いていく。
FF7は好きだけど、7Rの体験版をプレイするほどじゃない。
そういう人に向けて、まず難易度の話をしようと思う。
見出しにもある通り、このゲームは最近のゲームに慣れてると、ちょっとぎょっとするような難易度に設定されている。
ぼんやりプレイしていると普通に死ぬ。
ボスとかじゃなくて、普通にザコに殺される。
そういうバランスで作られている。
ただこれは「レベルを上げて物理で殴らねば」という強さじゃない。
敵には弱点属性やウィークポイントがあり、そこを的確に攻めなければ倒せない(倒しにくい)という、戦略的な強さを求められる。
このゲームは「マテリア」と呼ばれるアイテムを武器・防具に装備することで戦闘スタイルをカスタマイズできるわけだが、そのなかの一つに「みやぶる」というマテリアがある。
これは文字通り、使用した相手の特徴を見破れるマテリアだが、これによって相手の弱点属性を確認したうえで戦うのが、推奨される戦い方だろう。
私は無印FFをプレイしていた時、この「みやぶる」マテリアをほとんど使っていなかった。
別に属性とか気にせずに物理で殴っていた。
でも今作はそれをやってると繰り返しザコに殺される。何がクラスファーストだこの雑兵がという雰囲気だ。
結局私はゲームをクリアするまで、一度も「みやぶる」のマテリアを外せなかった。
(写真:弱点にぶっぱなすバレットさん)
ただご安心めされよ
難易度は「ノーマル」「イージー」「クラシック」が存在し、昨今のゲーム事情を考えると7Rの「ノーマル」はハードに当たると言っても過言ではないと思う。
私は序盤の強敵ヘルハウスに軽く十回は殺された。でも何度も挑戦するうちに戦い方がわかってくるんだよね。不思議だね。
しかしそんな私でも心折れた一戦が一つある。列車墓場というステージのボスなのだけど、なんか「あと十回死なないとこいつには勝てない」と思った瞬間すっと心が折れてイージーモードに切り替えてしまった。
そう、このゲームは好きなタイミングでゲームの難易度を切り替えられるのだ。
なお、ノーマルからイージーに切り替えた瞬間、ボスがほとんど攻撃してこなくなって、ほとんどサンドバック状態で死んでくれた。
急に別のゲームをしてるような錯覚にとらわれた。
それくらい、ノーマルとイージーでは難易度に差がある。
それぞれの難易度の感想をちょっと列挙してみよう。
【ノーマル】
敵が強い
マジで敵が強い
ていうか硬い。全然体力減らないなにこいつら。
弱点属性覚えて、よろめかせて、追い打ちでバースト(めっちゃダメージ入る状態)状態に持っていかないと、こっちが削りきられる。おまけに五匹とか同時に出てきて、四方八方から攻撃されて瞬く間に死ぬ。
なにこれ??
デジョンハンマーおまえマジでゆるさねぇぞ。
【イージー】
ボタン連打してると敵が死ぬ。
不思議。
【クラシック】
これがすごい驚いたのだけど、戦闘がほとんどオートで進む。
技ゲージが溜まったら、使いたい技を選んでればいい。
でも自分で操作したいなって思ったら、操作するとちゃんと動いてくれる。
オートとマニュアルがほとんどシームレスで切り替えられるバトルモード。
クラシックの難易度はイージーと同じなので、これはベリーイージーと言っても過言ではない。
たぶんうちのオカンでもセフィロス倒せる。
こんな感じだ。
だから「強い相手に対して、マテリアをあれこれ組み替えて戦い方を考えるのが楽しい!」っていうタイプじゃない人は、迷わずイージーを選ぶべきだと思う。
私は列車墓場以外ノーマルで走り切ったけれど、プレイしながら「歯ごたえがあってたーのしー!」と思っていた時間と「は??? 三秒で死んだけどなにこれ?? このモブあきらかにモブじゃない強さなんですけど??」って怒っていた時間を比べたら多分後者の方が断然長い。
難しかった……ほとんど意地だった……。ヘルハウス二度と見たくない……。
■難易度は分かったけど、バトル楽しいの?
これは完全に人による。
これは無印FFでもドラゴンクエストでもそうだけど、「ターンでコマンドを選んで敵を殴るバトルって楽しいの?」と訊かれたら「楽しめる人は楽しめる」という答えになる。
そして今作はFF無双と呼ばれるようなバトルシステムを採用しており、クラウドやらエアリスやらバレットやら、特性の異なるキャラをボタン1つでバシバシ切り替えながら右から左から敵を殴りつつ、ゲージが溜まったら技を出したり魔法をうったり回復したりというスタイルだ。
でも無双のような「ザコを吹っ飛ばしたヒャッハー――!」という楽しさはない。イージーにすれば爽快感が生まれるけれど、ノーマルでは逆にこっちが吹っ飛ばされて「まってまってまってまって」と言ってる間に全滅する。
そんな7Rのバトルのどこが楽しいのかといえば、やはり戦略性ではなかろうか。
7Rは連戦の最中で死んでも、連戦の途中からやり直せるようになっている。なのでトライアンドエラーがとてもやりやすい。
マップをだだだーっと走ってゆく
↓
うかつに敵の巣窟に突っ込み袋叩きにされる
↓
バトル直前から再開し、敵の弱点属性のマテリアをつける
私は基本的にこういう戦い方をしていた。
どんな敵がやってきても対応できるようなマテリア構成にしておけば、もちろんこんな無駄手間は必要ない。
だけど「かみなりに弱い敵が多いから、武器にかみなり属性つけておこう」とかやっていると、突然かみなり吸収属性をもった敵が出てきてボコボコにされたりする。
だから何かに特化したマテリア構成にしていると、必ずどこかでマテリアを組み替える必要が出てくる。
つまり「汎用性のある構成にしてフラットに進む」か「尖ったマテリア構成にして要所要所で組み替えるか」はプレイヤーのスタイルにゆだねられる。
今作で私が特に「いいな」と感じたのは武器システムだ。
すべての武器に何らかの特徴があって、捨て武器というものがない。武器の種類は「少ないな」と思えるレベルで、各キャラ十個もないのではなかろうか? あるかもしれないけど。
しかしそれぞれに「魔法攻撃力が爆裂に高い」とか「マテリアがめちゃめちゃつけられる」とか「属性効果アップに秀でている」というような特徴が存在している。
だから「物理で殴りたいからこの武器かなー」とか「マテリア育てたいから穴いっぱいの武器にしておくか」とか、選び方に幅ができる。
新しく手に入った武器が最強というわけではないし、過去に入手した武器も常に成長し続ける。
■クリスタリウムっぽい武器システム
上記の写真が武器画面だ。
武器はそれぞれに「アビリティ」と呼ばれる技が設定されており、何度もアビリティを使って習得すると、別の武器に付け替えてもその技が使えるようになっていく。つまり使える技が増えていく。
武器すなわち新技なので、過去に取り損ねた武器をのちのち入手しても「やったー!」感が一応あるのはよいなと思った。
さらに武器は「スキルポイント」で強化でき、スキルポイントはキャラのレベルと共に増えていく。
写真にあるように、スキルポイントはすべての武器に均等に与えられるので、「Aの武器を強化したらBの武器が強化できない」ということにはならない。全部の武器をマックスまで強化できる。
私は「力こそがすべてだ」派閥の人間なので、物理攻撃力が高いメタルナックルを終盤まで使い続けていた。
けれど魔法攻撃に特化したいプレイヤーは、きっと別の武器を選ぶだろう。
ところでこのスキルポイントは、クリア後に出現するハードモードをクリアしていくとさらにたくさん手に入る。
やり込み要素として武器を育てたい人もいるのかもしれない。私はすでにかなり心折れている。ハードのザコがセフィロスより強い。まじで。
■てーか今の時代にアバランチ許されるの?
無印FF7プレイヤーの中には、そんな心配をしている人が少なからずいる。そしてその心配はもっともだ。
なにせクラウドが所属しているアバランチは完全に反社会勢力だ。暴力によって政治を変えようとするテロリストだ。
無印をプレイしていた当初はあまり深く考えなかったけど、今考えるとこいつら普通にヤバイ人たちだわ。
これは爆破が想定外に大きくて被害が町にまで及んでいることを知ったアバランチリーダ・バレット氏のお言葉。
まじでやばい。
とはいえスクエニさんもどうにかアバランチの面々に大義名分を与えるべく、最大限の努力をしてくれている。
例えば魔晄炉の爆破にしても、想定より爆発が大きくなるように神羅カンパニーが仕組んだという形にしてくれた。
そしてアバランチのテロ活動にしても、敵国ウータイとの休戦を終わらせるべく、人民の心を戦争に向かわせるために神羅が誘導したというような扱いになっている。
これを「主人公サイドにクリーンな印象を与えるためのスクエニの工作だ」と思う人もいるかもしれない。
でも私は工作してくれてほっとした。
なにせ開発陣による印象操作が入っても普通にヤバイのである。人の死は星を救うために必要な犠牲だと言い張る。
ただまあ、無印ではケットシーが「お前らのせいでどれだけ人が死んだと思ってるんだ」と詰め寄るシーンがあったけれど、この印象操作によって多少ケットシーのセリフに「どの口で……」感出てしまうのは否めない。
どうでもいいけどビッグスすごい男前だね??
ジェシーがクラウドと比べてあれこれ言ってたけど、ジャンル違いなだけで普通に女の子が放っておかない見た目してるね??
■タークス好きなんだけど大丈夫? 変なキャラ改変されてない?
全然大丈夫(個人的な見解)。
タークスの二人は無印のころから大変人気のあるキャラで、もちろん私も大好きだった。
そもそもタークスの二人は一度アドベンドチルドレンに出演しているので、グラフィックもボイスも事前にある程度把握できていたので、そこまで心配する必要はない。心配な人はアドベンドチルドレンを見ておこう。
とはいえアバランチのように、タークスにも多少のキャラ改変というか、設定の深堀というか、優しさの付与というかがされている。
七番プレート(人が住んでる町)を落として、それをアバランチのせいにする――という裏工作を、タークスの二人が担っているわけなのだけど、これをレノがかなりヘビーに受け止めている。
上司であるツォンに「我々がやらなくても誰かがやったんだし、その誰かを自己嫌悪から救ってやったと思え」的な事を言われても「無理だぞ と」とかいってぐんにゃりしている。
なんというか「仕事だから仕方ない」という社会の構成員としての悲喜こもごもと、「仕事は何でも楽しむスタイル」というポジティブな性格と、でもやっぱり割り切れない人間味的なのが合わさって「レノもつらいんだなぁ」という気持ちにさせてくる。
ルードはレノよりもう少しクールだけど、無印FFよりかなり口数が多いしだいぶおちゃめさんだ。それなりに好戦的だしアクセサリーの数がヤバイ。
ピアスが5つに腰からは武器でもないチェーンをぶら下げている。さらに黒シャツ黒ネクタイ。
控えめに言ってレノよりホストだ。レノはまだ気崩したチンピラと言えるけどルードは完全に「このファッションがいけてる」と思ってやっているふしがある。
でもまあ副社長ルーファウスが出てきた瞬間に全部納得したけどね。
あえてここで画像は上げまい。なんかキャプチャもできなかった気がしたし。ルーファウスその白い吹き流しみたいな腰巻? コート? みたいなのどんな顔して選んだんだブティックで選んでるのか……。
バトルスタイルは三人とも格好いい。ルーファウス副社長がジェノバより強くてびっくりした。
レノはメチャメチャ早いし、ルードはガード無効の投げ技を持っている。ガード反撃だけでさばこうと思ったらジャイアントスイングされて思わず笑った。
ルードは「この仕事は舐められたら終わりだ」といかにもその筋の人のような理由でレノを倒したクラウドに突っかかってくるのだけど、その割にエアリスにはガチ攻撃をしてこない。
アイテムで眠らせたり、特殊攻撃の手刀で失神させたりしてくる。
これはティファに対してもそうだ。
無印ユーザーの私も微妙に忘れていたのだけど、ルードはティファに惚れているという設定がある。
無印では戦闘中、ルードはティファにだけ攻撃しないという裏技めいたものがあった。「ティファとエアリスどっちすき?」みたいな話題でルードが明確に「ティファ」って答えているので、設定だけでなく本編でちゃんとある。
7Rではミッドガル脱出までしか収録されていないので、「ルードはまだティファと出会っていないのでは?」と思っていたけど、たぶんアバランチ資料に乗っているティファを見た時点で好きになってるのではなかろうか。
レノがヘリでティファに銃撃しようとうするのをしれっと阻止するシーンがあったし、そのときのセリフが「あれは……!」だったのですでにティファを知ってたのは確実だと思う。
二人とも戦闘スタイル格闘だしね!でも仕事はきっちりやるルード。ティファに「七番プレートを落とさないで」と言われても余裕で落とす。
ツォンさんはもっと美形の方がよかったな……イリーナ楽しみだな……。
■コルネオイベント大丈夫? R18になっちゃわない?
なってると思う。
コルネオイベントというのは、ティファがコルネオのお嫁さんとして連れ去られ、助け出すためにクラウドが女装するというイベントだ。
あまりにも愉快なイベントだったので無印ユーザーの中では7R開発の発表があった時に「クラウドの女装どうなんの!?」という疑問が真っ先に沸いて出た。
こうなった。
コルネオイベントではティファ・エアリス・クラウドの三人がそれぞれ衣装チェンジをする。
無印ではクラウドだけが女装していたけれど、今回はここに至るまでの選択しやクリアしてきたサブクエストによって、ティファ・エアリスの衣装も変化する。
また、無印では「クラウドの女装が完璧じゃないと、お嫁さんにティファかエアリスが選ばれる」という分岐があったけれど、私が確認した限りだと、今作ではクラウドが確実に選ばれるのではなかろうか。
無印のコルネオはコメディーリリーフすぎて「リアルにやったら陳腐になるのではないか」という不安があったけど、全然大丈夫だった大変下種だった。声優さんのパワーがすごいのでホヒホヒ言ってても違和感がない。すごい。ほひ~~。
ティファとエアリスとてもかわいい。
クラウドをめぐってのギスギスでドロドロな戦いが繰り広げられるのではとひやひやしていたけど、ずっとも感出してきてくれたので安心して見られる。
しかしコルネオ、お嫁さん候補を三人連れてきて、一人選んで、「残りはおまえらにやる」と部下にくれてやってしまう。
ティファとエアリスじゃなかったらR18のえっちぶっく展開まっしぐらだ。無印だとたしか、ティファが部下と追いかけっこしてて、エアリスが部下となんかゲームして遊んでたような……?
7Rは全体的に想定ユーザーの年齢層はかなり上目に設定されているような気がする。
どうでもいいけど、孤児院の先生の夜の顔を知った時はちょっと興奮してしまったよねって。
■宝条がマジでキモい。
ほんとうにキモい。動きも言動もきもい。
こいつマジでモテるの??(無印だとビーチで美女に群がられて日焼けしてた)
■レッドⅩⅢはもふもふ
山口勝平さんのレッドサーティーンが想定以上で動揺した。
レッドは序盤はクールな物知り獣キャラとして行動するのだけど、ある時点から急に「まだ年若い獣のナナキ」という本当の顔を見せてくるキャラなわけだけど、ナナキの本性を見せたときの天真爛漫さにも期待が持てすぎて魂が破裂しそう。頼むスクエニ早く続きを出してくれ。
アバランチ! スラムの花売り! 実験動物!!
このシーンめっちゃ懐かしくてじんときた。
■人を選ぶ部分は結構ある
さてここまで7Rめっちゃよいよとアピールしてきたわけだけど、私もプレイしていてげんなりした部分は多少ある。
これはプレイヤーの好き嫌いによるので良い悪いという話ではないのだけれど、ちょくちょく挟まる「歩き」の演出がものすごーーーくストレス。
エアリスが「ついてきて」というのでついて行くとき、クラウドはダッシュを禁止されるのでちんたら歩かなければならない。
あと今作のクラウドは片頭痛持ち(婉曲表現)なので、ちょくちょく頭痛に襲われ幻を見る。
そして幻を追いかけるために、よたよたとスローモーションで歩かなければならない。
一回だけならいいのだけど、クリア後に発生するやり込みのために同じチャプターを何度もプレイするとき、このスロー演出が地味に精神を削ってくる。
あと、これはいかにもFF的なミッションという感じなのだけど、天井を移動してシャンデリアを落とそう!というようなイベントミッションちょくちょく発生して、これがほとんど作業でしかないのでだいぶつらい。
辛いけど「分かる~FFって歴代でこういうイベントミッションやらせるよね~」という気持ちにもなる。
せーので同時にキー入力とか、いかにもFFっぽい。でもこれ、思い出補正のないユーザーにとってはどう見えているんだろうか……思い出補正があっても若干かったるいというのに……
■おそらくパラレルワールドです
これは究極のネタバレだけれど、たぶん7Rの世界線は無印と同じではない。
先述の頭痛クラウドが、ちょくちょく「このゲームではまだ起こっていない未来」を幻視するのだけど、ゲーム中で「これは俺たちが捨てようとしている未来だ」というような発言がある。
あとセフィロスがざびつく。ザ、ザザって電子存在みたいなザビつき方をする。こういう演出が入るときはメタ要素が入ってくる可能性を無視できない。
私は7Rのプレイ中ずっと、懐かしさと新しさを感じていた。
物語の骨子はFF7だけど、根本的にFF7とは違う、新しいゲームだという思いが強くあった。
無印に出てこなかった様々な新キャラや、運命の方向を決めるという「フィーラー」なる新存在が登場するのだけれど、7Rが無印のパラレルワールドで、例えばクラウドやセフィロスは「一回FF7の世界線を経験していて、7Rで世界をやり直している」という設定ならなるほどなと納得できる。
エアリス生存エンドを強く望む声にこたえるために、たんにエアリス生存エンドを追加するのではなく、エアリスが死んだ世界線をやり直し、エアリス生存に向けてクラウドたちが頑張るというような形になるのではなかろうか。
お前はまた守れないとか、誰も守れないとか、セフィロスにやたら煽られまくっていたので、今後の続編でクラウドは何かを守れるようになるのは間違いないだろう。
7Rでは「運命の番人」としてのフィーラーと言う存在を倒した。これは「正しい運命に向かってクラウドたちが動くようにはらかう存在」だ。そしてそれを倒したことによって、我々は確定していたFF7無印の未来を改変できるようになったのではなかろうか。「ここから先はまだできてない」ってセフィロスも言ってたし。
当時、CD三枚の容量で提供されたFF7のボリュームに、我々は熱狂した。でも、開発陣にとってCD三枚なんてまったく足りなかった。
そして今、技術が進み、容量も増えて、改めてこの段階でFF7を作るとしたら、どうなるのか。そういうものを見せてもらったように思う。
7Rは無印の焼き直しではなく、ユーザーを巻き込んだ壮大な「やり直し」なのかもしれない。
頼むから早く続きだしてくれ。
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