麻酔がなぜ効くのか分かってないって嘘でしょ、と思うおじさんの中にある科学万能説
立花隆さんの「死は怖くない」を読んだ。
中々重たいテーマですが、立花さんの重厚な経験と知識をベースとしつつ、読みやすい語り口で進む本。
そんな本の一説にあった一言。
「麻酔がなぜ効くのか、科学的には一切わかっていない」
嘘でしょ?と思った。
調べてみると、確かにそうらしい。
麻酔の効果はたくさんの臨床によって証明されているけど、仕組みとして何がどうしてそうなるか、については、諸説ある段階で、確固とした説明が出来ない。
もちろん、知っている方はたくさんいるんでしょう。
でも、おじさんは知らなかったので純粋にびっくりした。
歯の治療から手術、美容外科まで、麻酔があるから出来るんだと思います。おじさんは過去に親知らずを割って抜きましたけど、麻酔なしでやると考えたら恐ろしい。
そんな麻酔。おじさんは勝手に、効果から仕組まで、科学的にマルっと分かって使っているんだと思ってました。
でもそうじゃなかった。
臨床による効果の証明。
多少の間違いを承知で言いますが、麻酔の効果を証明しているのは体験の積み重ねだった。
なんかびっくり。
でも、ちょっと落ち着いて考えてみる。
それってなにも不思議なことではないんじゃない?
だって、科学って人類の歴史から見ると最近登場したもの。
人類が生活するうえで頼るものの内、科学的に証明されているものってどれだけあるのだろう。
病気やケガと向き合う中で、様々な挑戦の上で活用されるようになった麻酔の効果が科学的に証明されていないからといって、麻酔が多くの人の命を救うという価値が変わることは無い。
科学的な証明がないってことに驚いた自分。
根っこで科学は万能と思っているんだと思う。
科学万能説。
おじさん世代はこの万能説の根が深いように思う。