本当の貧困の話をしよう 2023/06/02

本屋で気になって手に取ってみたのだが、子供向けだった。
でも気にせず買ってきた。
子供向けだからといって、内容が物足りないものだとは限らない。
「はじめに」にあるように、17歳の子供たちに向けた講義のようだ。

貧困問題は大きく二つに分けられる。
絶対的貧困と相対的貧困だ。
貧困率は、先進国では相対的貧困で、発展途上国では絶対的貧困という指標で考えられることが多い。
しかし、どちらも社会にとっては大きな問題で、貧困とは関係がないと思っている人々の生活にも影響してくる。
貧困が、貧困者に及ぼす影響については、いろいろな形で目にしたり、耳にしたりで、大体想像がつくのだが、貧困とは関係がないと思っている人々の生活にも影響があるとは、いままで深く考えたことがなかった。
社会保障の大事さや、無関心を貫かないということは社会に広く伝わってほしいと思った。

ただ、貧困から抜け出した偉人たちの例が何例か載っているが、ちょっと参考にはならないかも。
貧困のさなかで、希望や勇気の出せる人って稀有な存在なのかもと思ってしまった。だからこそ素晴らしいのだけれど。
でもその時に、周囲からの励ましや愛情が大事だとは伝わってほしい。

最近感じることはお金の怖さだ。
なんでもっともっとお金が欲しいと思ってしまうのだろう。お金があったら、もっと社会に役立つことができるのに!というような理由なら納得だが、自分のことを省みても「もっと贅沢をしたい」だとか、「ないと不安だから」みたいなことが多くないか?
楽して儲けたいと思っていないか?自分にはそういう才能がないけれど、一歩間違ってもし才能があれば、自分だってオレオレ詐欺の親玉になっているかもしれない。
つまり、お金を欲しいと思っている心の中は、詐欺師と何ら変わらないのではないかと思ってしまう。
自分の持っているものが、ほんの少し余っているとして、それを隣の人に分けられるか。
分けてあげても困らないはずなのに、それができるかどうか、今試されているのではないか。

世界の大半は凡人であると思う。でもその世界の大半を占めている凡人が、少し隣の人を思うだけで、世界はだいぶ変わるのではないかな。

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