八月の読書・下
八月は、いつか読んでみたいと思っていた本が読めました。
遠野物語は、原文のまま読むのが難しそうで、断念しかかっていたのですが、図書館でよさそうなのを発見(中身もすばらしかったけれど、外側もおしゃれで素敵な本でした)「食堂のおばちゃん」の山口恵以子さんは、文学賞の授賞式がニュースになっていて、その時から気にかかっていた作家さん。
画像はフォトギャラリーからお借りしました。「ジジイの文房具」を読んだので、文房具つながりで。
一九八四年
有名なディストピア小説。
常に監視された社会は、もうどうしようもなく、救いがないものとして描かれています。
あまり書くとネタバレになってしまいますので、避けますが、とにかく救いがない。
生きるということについて改めて考えさせられる本でした。
そして自分で考える自由というものも。
ジジイの文房具
「ジジイの片づけ」を読んで、私は沢野ひとしという人を誤解していたのだと感じました。椎名誠さんの「怪しい探検隊」シリーズのファンだったのですが、そこでの扱いが散々だったからです。(いい意味で、です。)
元々、ユーモアとペーソスにあふれるエッセイは素敵だったのですが、ジジイになられてから、さらに磨きがかかったような。
中でも、旅行先で文房具を買って、早速使ってみるとか、いいものを手に入れたとか、自分のこだわりだけでなく、孫や友人のこだわりまで、飽きの来ないエッセイ集で、とてもよかったです。
いつか来る死
訪問診療をされている小堀先生と、糸井さんの対談集。
死とは忌避すべきもの、隠すべきものという考え方は、今後少しずつ変わってくるのではないでしょうか?この高齢化社会だもの。
死とは、誰にでも訪れるもの、避けることができないものだということには変わりがなく、ならば生きて、死について語れるうちに、自分の想いを身近な人に伝える、また、身近な人の考えていることを聞くといったことを大事にしたいと改めて思いました。
遠野物語remix
遠野物語を原文で読むとなると、結構な労力がかかりそうです。
しかし、世界は味わいたい。そんな夢をかなえてくれたのが本書です。
読みやすいようにか、似た話は続いてくるように並べ替えられています。
この山奥に、ひょんなことで伝わった話なのか、それとも山奥から広い世界に向けて伝わった話なのか分かりませんが、現代の怪談にも似たようなものが多くあるのが意外でした。(死ぬ間際の人が違うところに現れるとか)
食堂のおばちゃん
嫁と姑が仲良く営んでいる食堂で起こる小さな事件を書いたお話です。
こういう話って定番で面白いのですが、この本もそうです。
加えて、私にとっては、嫁のほうが私と同世代とあって、更に気持ちがわかるというか…ちょっと余計な感情移入をしながら読みました。
面白いし、出てくる料理もちょっと真似したい料理ばかり。お金がかかりすぎない料理なのも好感が持てます。
真珠とダイヤモンド・上
若い主人公たちが、どんどんとバブルの渦に巻き込まれていく様子がスピード感あふれる語りで描かれていて、読者の大半がバブルがこの後どうなるか知っているだけに、主人公の運命が気になって仕方がないのではないでしょうか?
私もその一人です。下巻が楽しみです。
以上です。
去年、今年と、簡単な読書ノートをつけていて、来年のノートにする予定の手帳も届きました。
欲張って、一回り大きなものにしたので、書ききれるか心配です。
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