芥川龍之介の『歯車』をどう読むか② All right
自分はより彼の私生活を知っているから作品も深く理解できるのだよエヘンと威張る人は好きではない。その程度のことで威張る必要はないのだ。
All right
このAll rightという言葉には様々な意味がある。様々と言いながら、それは殆ど訳し方の問題ではあるが、文頭につく場合や返事ではやや軽い意味になる。言い方次第だが文末につく場合はやや重い意味の場合が多い。
ここで主人公が受け取ったメッセージとしてのAll rightは飽くまでも返事なので、ごく軽い意味だった筈だ。しかし、
この主人公の了解したAll rightの意味は、やや重く転じているのではいかという人もいるかもしれないが、私はむしろ軽い意味に了解する。そうでなければ「僕はいまもそのホテルの部屋に前の短篇を書きつづけている」とはならない筈だからだ。
義兄が死んだのに放置、そしてAll rightの意味を了解する。ここでAll rightはなんくるないさ的な意味になるだろう。
主人公が給仕に命じたことは定かではない。しかし「僕はいまもそのホテルの部屋に前の短篇を書きつづけている」のであれば、「今夜はもう、外から電話は取り継がないでくれ」と命じたのではなかろうか。
彼は翌朝午前八時頃に目を醒まし、牛乳を入れない珈琲を飲み、前の小説を仕上げにかかった。
義兄を姉の夫と呼び、姪を姉の娘と呼ぶ小説家には小説より「大へんなこと」など存在しないのだ。『地獄変』の作者はまさに地獄の中にいる。何があろうと小説を書き続けるしかないという地獄。
私も。
まだ、信じない?
すごいなインターネット。
いやnote。
ここに書いたことは誰にも見られないらしいぞ。
これは便利だ。
暗証番号をメモしておこう。
6996と。