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ムスメのギターを買う

わたくし、クラシック音楽で育ちました。
小学1年生からピアノ(まったく才能なし)、小学4年生から高校3年まではブラスバンド一色。
大学時代は声楽(教育学部だけど)。副科でなんとチェロ。笑

とにかく、クラシック音楽ばっかり聴いていたのです。
おかげで、20代前半まで、当時流行っていた曲などはほとんど聴いていませんでした。
だって、空いている時間はずっと、オペラやオケ曲を聴きたかったから!
ほかの音楽を聴く暇なんてなかったんです。

音楽生活の転機はゴスペルを歌い始めたこと。
途中中断をしましたが、ゆったりのんびりと、ときにはゴリゴリに、歌うことの楽しさをやっと味わうことができるようになりました。
ゴスペルが私と音楽の関りを楽にしてくれたのかもしれません。


話がそれましたが、要は音楽人生のほとんどはクラシック、だったわけです。
なのでほかのジャンルのことは、実はよく知らない。
(ゴスペルはちょっと特殊分野だと思っています)

いわゆるバンド系のあれこれなど、知らないことだらけなのです。

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そんなある日、ムスメが突然言いました。
「ギターやってみたいんだけど」

ギターだと???

ピアノ習うのも全拒否していたムスメが、まさかのギター??
なんでなんで?と聞いたところ、どうやらお気に入りのアニメの影響のよう。
なるほど、やりたいことが見つかったのはよいことだ!
ではさっそくギターに触れてみよう!
と「ギターやってみようモード」に突入いたしました。

実は我が家には夫が大昔に購入したギターがあるのです。
なので、それをまず弾かせてもらおうか…と話し、夫にも協力を要請していました。

しかし一向に教えてくれる気配がない。

この連休にぜひ、夏休みにぜひ、などとお願いしていたのですが、そのたびに仕事とかぶってしまったりして、延び延びになっていました。
これはさすがに、ムスメも待たされすぎて気の毒だなぁ、と思っていたところ、なんと学校の担任の先生(音楽担当)が、簡単なコードなら教えてあげられるよーと。

これはありがたい!

ということで夫に「ギター、弾けるように準備して」(夫のギターは30年ほど冬眠中)とお願いしたところ、ちょっとそんな時間はないです。という残念なお答えが。

いや、そんくらいなんとかやってくれよ。

と内心憤慨しつつも、仕事に追い詰められている様子もよくわかっていたので、まぁ仕方ないかな…という気持ちに。
しかしあんまり引き延ばしても、ムスメのやる気が萎えてしまうかもしれない。それはなんとしても避けたい!
もうこうなったらムスメ用のギターを買うか!と勢いで購入することを決めてしましました。

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そしていざ、中古ギター屋さんへ。
まったく勝手のわからないギター屋さん。
展示されている商品には「お手を触れないでください」と書いてある。
下手に触らないよう注意しつつ物色していると、ムスメの気になるものがあった模様。
これはじっくり手に取って見たい。
声をかけようとキョロキョロしてみると、どうやら、お店の方はお客さんが自由に見られるようにという配慮からか、こちらには無関心。
これは、ちゃんと声をかけるしかないな。。。
勝手の分からない店内でちょっとドキドキしつつ、

「すみません、触ってもいいですか?」

シチュエーションが違えばいろいろと誤解を招きそうな発言ですが、お店の方を呼び寄せることに成功しました。

とにかく「初心者です」「なーんにもわかりません」ということをアピールしつつ、さまざまな質問(初心者編)を投げかけると、懇切丁寧に説明してくださいました。
ありがたい…!
最終的に、予定よりはかなり予算オーバーでしたが、ギターの購入に成功しました。ぱちぱちぱち。

実は、いつもならなかなか決定を下せないのです、ムスメ。
それが、今回ばかりは目を輝かせて「これがいい」と。
人前でなかなか自分を出せないムスメが楽しそうに、自分の希望を口に出している。
その様子を見られただけでも、私はとても嬉しくなってしまったのでした。

※ちなみに帰宅後、夫に報告したら「高い!」と渋い顔をされました。笑

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新しいことを始めるには、いろいろと壁がつきものです。
(すごくよくわかる)
きっとムスメが苦手な「周りの人の協力をあおぐ」ということも必要になるはず。
それは他人との交流が苦手なムスメにとって、大きな壁になるかもしれません。
でも「壁を乗り越える」ってすごく大変だと思うんですよね。
壁を乗り越えられなくて挫折するって、よくあることだと思うんです。
私もそんな経験がたくさんあるので、容易に想像ができます。

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MONKEY MAJIKの曲「Walk with me」の中に、好きな歌詞があります。

驚くほどに
超えられない壁立ちはだかる
超えられなくたっていいさ
そこに描けばいい

この曲は東日本大震災のあとに作られた曲のひとつ。
(実はこちらの曲、こっそりコーラスで参加しています。笑)
乗り越えようとしても、どうにもならないこともある。
それは災害のあと、苦しんでいる人たちへのメッセージだとは思いますが、私たちのいつもの生活の中にも、大なり小なり、「壁」ってあると思うのです。
新しいことを始めるのならなおさら。
もしかしたら、そのこと自体を「壁」と感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、壁を乗り越えようとして、頑張っても上手く乗り越えられなくて…結局くじけてしまうくらいなら、乗り越えるんじゃなくて、自分らしいやり方を見つける方がいい。
そう思います。

ムスメも、自分なりに試行錯誤して、時には周りのサポートも受けて、上がったり下がったりしながら、自分自身の道を見つけてくれたらなぁ。

そんなことを思った今日でした。

何か楽しいことに使わせていただきます!