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小説から学べるコト

こんにちは。こあらっこです。
今日は、「小説から学べるコト」について書こうと思います。

こあっらっこは、普段、いろんなジャンルの本を読んで(聴いて)います。
ビジネス書、自己啓発書、科学や、社会学、歴史、行動経済学、哲学、、、etc
面白そうなものはとりあえず読んでみて、あんまり興味がなかった場合は途中で辞めますし、面白いと思ったものは最後まで読んでいます。
まあ、どれも専門家ではないので、難しい書物の場合、書いてある事の半分も理解できない事もあるのですが、自分なりに「面白い」と思うポイントを見つけたいなと思って読んでいます。
そして、小難しい本を読んで(聴いて)いると、息抜きに小説も読みたくなり、最近は久しぶりに小説も読むようになりました。子どもの頃はライトノベル(ファンタジーの冒険物)や推理小説(謎解き系)を好んで読んでいましたが、最近は時代小説、現代を舞台にした大衆小説がとても面白いと思うようになりました。
もちろん、推理小説は今でも好きなのですが、推理小説は読んでいる“その時“が1番楽しいのです。「次はどうなるのだろう?」と思いながら、謎を自分なりに考えたり、主人公に同化、または第三者視点でワクワクしながら謎に取り組む時間が楽しいのです。もちろん、読み返して、ここにもこんな伏線が!?とか、色々探す楽しさもあるかと思いますが。

一方、最近面白いと思い始めた大衆小説はどちらかというと、人に焦点が当てられていて、読後に今までの自分の考えや価値観を変えてくれる又は別の見方があると気づかせてくれる面白さがあるのです。
人は、今まで人生で培われた価値観を持って生きていると思います。そして、その価値観と相反する意見を聞くと、自分のものさしで判断し、否定したりすることがあります。「その自分のものさしって本当?」「別の見方もあるんじゃない?」「別の境遇で生まれ育ったら、自分も他者のような価値観になってない?」など、色々考えさせられ、物事への見方を変えてくれるのです。

例えば、最近読んだ本で、寺地はるなさんの「カレーの時間」という小説があります。生まれた時代や環境によって価値観が全然違う祖父と孫が、一緒に住みはじめ、カレーを囲む時間、近所の人との関わり、色んな事件を通して少しずつお互いを理解していく物語です。2章くらいまでは、祖父の自分勝手で横暴な言動、行動、それに対する周りの祖父への対応のきつさに読むのを辞めようかな、、、と思った事もあったのですが、3章くらいから、ちょっとずつ祖父の義理堅い(人情味のある)部分などが出てきて、グッと面白くなります。
完全なる悪に見えるように表現されていた祖父の良い部分も表現されるようになるのです。そして、4章から最後にかけては、涙なしでは読んでいられません(笑)。酷い言動や行動に見えた部分がその人なりの不器用さ(説明不足)からくる物だったり、大切なものを守ろうとしたものだったりということがわかってくるのです。かといって、祖父が完全に善い人として描かれ直されるわけではないのですよ。(そこがこの小説のいいところです)

世の中に、勧善懲悪の物語って多いじゃないですか?
昔話(桃太郎、こぶとりじいさん、、、etc)とかに出てくる、完全なる悪と完全なる善みたいな構図。
でも、実際は完全に悪い人、完全に善い人なんて存在しないんですよね。
善いところも悪いところも併せ持っているのが人なんです。
要するに白か黒かではなく、世の中の人(もの)って殆どグレーなんです。
これは、色々な書物を読んでいると良く表現されている部分だと感じます。

そして、この「カレーの時間」という小説は、
「あの人はこんな人だ。」と判断する自分自身も、自分の都合の良いように記憶を書き換えていたり、自分の信じたいように(都合の良いように)相手を評価しているということを再認識させてくれる小説でもありました。
とても記憶に残る素晴らしい文章があったので、一部だけ抜粋させていただきます。

人は自分の信じたいものを信じる。失敗したと認めたくないから。自分の選択が間違っていたと思いたくないから。

寺地はるな著 「カレーの時間」より

SNSやネットニュース、テレビなどですぐに「あいつが悪い!」と誰かを悪者にする記事を見かけることが多い昨今だからこそ、
・相手の背景を知る努力
・自分の物差し(価値観)だけで決めつけないという柔軟さ
・言葉(対話)によってお互いを理解し合う事の大切さ(難しさ)
を改めて物語(具体例)として心に刻み込んでくれるのが小説の良いところだなと学びました。
そして、このような社会の問題点(抽象概念)を具体例として物語という形でとして落とし込んで、誰もがわかりやすい(共感しやすい)小説を作り上げる作家という人たちは、改めてすごい人たちだなーと思いました。

それでは、良い一日を〜🎵

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