「おいしいって言ってる顔だけは、信じられた」 サンドイッチを食べながら vol.1
今回サンドイッチするのは、「アパナマサラ」です!よろしくお願いします!
「アパナマサラ」は、「あなたらしい」オリジナルスパイスカレーをつくる隔週5日程のオンライン講座。スパイスカレーづくりの基礎知識やスパイスの探究に始まり、レシピのつくり方や、「自分らしさ」をカレーに落とし込むノウハウまで、オンライン講座で学んでいきます。
「アパナマサラ」の発起人であるヒロカズくんに、深掘りしました!
「ぽいね」。 その3文字からはじまった。
----- 今回新メニューになったのは、ヒロカズくんのコアキナイである「アパナマサラ」。
「アパラマサラ」が立ち上がったきっかけも、知りたいです。
ヒロカズ:ぼくが会社を辞めて放浪している時に、たまたまPORTOに立つ機会があって、その時に一風変わったキーマカレーを作ったんです。粗挽きで、カレーというよりは中華っぽさが出る”山椒のキーマカレー”だったような。そしたら、たくみさんが「これすごいヒロカズくんぽいね」って。自分がいいなと思うカレーを作ったら、意外と自分の”ぽさ”が味に出て、それを「いいね」と言ってもらえた。
自分の”ぽさ”を表現して受け取ってもらうのってこんなに嬉しいんだと思えた瞬間でした。
僕自身、音楽とか絵のような表現がどこか苦手で、かつ周りからいいねと言われて「いや、全然」と素直に受け取ることができなかったんです。ただ、料理だけは自分が思いっきり表現することができたし、「美味しいね」という言葉も受け取ることができました。そこから、自分らしさを表現して受容してもらう手段としての料理に可能性を感じました。
現業でコーチングをやっているので、自分らしさや自分のストーリーを表現するものをよく考えるんですが、その手段として、食べ物に可能性を感じたんですよね。
匠:本当に、カレーがヒロカズを表してたんだよね。一見「これはカレーなの?」って驚くような、中華っぽい味付けで。豚肉の刻み方の荒々しさや、カレーっていう枠ぎりぎりを試す感じがもう、道理に縛られず自分で自分の生き方を決めたいヒロカズのチャレンジングな姿勢が出てるなあって。若さとか、荒々しさとか、危なっかしさみたいなところ。(笑)
--- 匠さんの「ぽいね」っていう3文字が、0から1につながったんですね。そして、その人らしさがカレーに出るって面白い。
ヒロカズ:そう!けっこう出るんだよ。カレーだから、出やすいんだと思う。
匠:あの時、カレー食べてる人の中で泣いちゃいそうになってる人とかがいたんだよね。
ヒロカズ:そうでしたね。
匠:すごいなあって思った。あの場にいたみんなが、カレーと共に「らしさ」を受け取ってて。すげーよかったんだよね。言葉にできないけど、なんだか不思議な場だった。
--- いつものカレーが、誰かの生き方が宿ったカレーになる。食べた時、今までにない感情が生まれそうです。
ヒロカズ:そう。それをきっかけに、僕のコアキナイ「アパナマサラ」っていうカレーの事業が生まれたんです。それで、カレー教室をオンラインでやってたんですよ。コロナの時。
そしたら、受講生の人が自分らしいめちゃくちゃおいしいカレーを作れるようになって。
なんと、年下の男の子の胃袋をつかんで、結婚。
匠・筆者:ええーーーーー!!!(筆者、お尻が3cmほど浮く)
匠:アパナマサラ婚!?これまた一個記事できちゃうね...!
----- 胃袋を掴み切ることで、動き出す運命もあるんですね...!(鼻息荒くなってます)
想いを、レシピに。
----- 今回、今回作ってくれた「アパナマサラ・サンド」。どんな素材を入れているのか、気になります!ということで、世界にひとつだけのレシピを、大公開!
----- シンプルな素材の掛け合わせなんですね!
匠:シンプルに超おいしいよね!!
ヒロカズ:よかった!笑
匠:おいしい。(2回目)
で、ぶっちゃけね、ちょっと見た目が、豚の角のルーローハンと刻まれたたくあんが入ってるから、なんか見たことないから大丈夫かなあって思ったんだけど...すっごいおいしい。(3回目)
マスタードの酸味と、ルーローハンの甘み?が絶妙に合ってて。たくあんのコリコリもうまく補ってて。だから、ベチャベチャした感じがないね。
----- 絶妙なバランスを保ってますね。
匠:あと角煮の脂?のうまみがちゃんとあって、しっかりした味として伝わってくるし、あとはヒロカズっぽい、スパイシーな感じ。クミンがシードで結構はいってたのかな?すごいおいしかった。プチプチ弾けながら。なんかたまにハッッ!て強く入ってくる時とかあって口の中に。不意打ちのクミンシード!笑
うまかった〜(n回目)
----- このレシピになった背景は?
ヒロカズ:はじめは、真ん中に挟むもの何かな、アパナマサラらしさって何かなって考えていて。カレーのギリギリを攻めるみたいな時に、側から見たらカレーじゃないかもしれないけど、クミンていう香りがするとカレーぽい...!みたいなものを作りたいなと。
その掛け合わせで、まずはメインで入れるのはルーローハンにしようって決めました。
ルーローハンは中華のイメージでしょ。麻婆カレーって言葉は出てきてるけど、ルーローハンカレーはあんまりないなって。そこ攻めてみるか。ということで!
で、基本サンドイッチってメインの肉にピクルス的な、酸味がある漬物が入るのがサンドイッチの特徴の一個でもある時に、そのポジションに、たくあん好きだし入れようかなっていう(笑)
匠:(笑)
ヒロカズ:色的になんかまあ茶色に紫だとあれだなぁ、とか。ザーサイはちょっとしょっぱいしなぁとか。
匠:確かにザーサイだとちょっとキツイねえ。
ヒロカズ:やっぱその酸っぱい感じ、出したくて。で、ソース何にしようかなって時に、まあちょっとピリッと、からし系のやつがいいかな、って迷わずにマスタード。
匠:マスタードが唯一ホットサンドの王道じゃん。あれがなんかそのカレーでもなくルーローハンでもなく、ホットサンドにさせてるのはあの子の仕事よね。
----- どれが欠けても成り立たない三位一体....。他にもレシピは考えてるんですか?
ヒロカズ:実は今、絶賛企画中です!!乞うご期待ください!
----- 次の連載で書かせてもらいます!
今回紹介した「アパナマサラ」。詳しくはこちら!
匠さん、ヒロカズくん、ありがとうございました!!
エピローグ(あとがき)
「音楽はわからん、美術もわからん。でも、ごはんだけは、おいしいって言ってるその顔だけは、信じられた。」
サンドイッチを頬張りながら紡がれた、このヒロカズくんの言葉がとても印象的でした。
コロナの中でもオンラインでカレー教室を開催し続けて、食べることのうれしさや、自分の”手触り感”を誰よりも信じているヒロカズくんだからこそ、出てきた言葉なんだろうなと。
外食やコンビニ飯などの中食が増えて、食べ物を「つくる」ことは減ってしまったかもしれないですが、「食べる」は、ひとが毎日欠かさずする行為。
いつもと同じ「食べる」だけど、想いを挟んだサンドイッチは、温度のあるストーリーを載せてお腹に届くんだな〜と、サンドイッチを食べながら思いました。
ルーローハンの隙間から出てくるスパイスが、カレーっぽかったです!
本当においしかった。ごちそうさまでした!!
SAND MEDIA
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