🌎30余年後、今の世の中にまた“必要”な物語かもしれません。
「ラーゲリより愛をこめて」観てきました。
この映画の原作『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』は、私の卒論の元ネタになった本。
ロシア語の先生の研究室でこの本を見つけ、一気読みした覚えがあります。
この時「シベリア抑留問題」を初めて知りました。
若い頃、なぜか戦争の“負の遺産”に興味があり、
私たちのような世代でも戦争の悲惨さを知ることで平和の大切さを知っていく必要がある、などと思っていました。
単に、戦時中に多くの人が体験したことを、そのままうずもれさせてはいけない、という思いだけだったかもしれません。
でも、日本人の精神性などを学んできて、今このような物語を見ると、
山本幡男さんのように、どんな厳しい状況でも希望を忘れず、人間であることを忘れずにいられるのは、
【日本人らしい芯の強さ】があったからなのではないかと思います。
幡男さんのおかげで、人間であることさえ諦めてしまいそうな環境の中で、お互いを思いやることを思い出し、励まし合って生き延びてきた抑留者の人たち。
そして病に倒れた幡男さんの家族のために、幡男さんの言書を手分けして暗記をし、家族の下へ届けたというのは、まさに日本人的な思いやりと絆の深め方、という気がします。
そもそも、あんな劣悪な環境の中で、10年も生き続け、働き続けられたのは、日本人だから、なのかもしれません。
(そんな日本人的な強さや、思いやり、どんな感情であっても相手のために働く、という精神性で、さらに不当に扱われてもあまり文句を言わないから、抑留問題について旧ソ連から謝罪がなく、長年問題になっていたのはあるかもしれませんが…💦)
映画館は、お正月のせいか、けっこう若い人もたくさん見に来ていました。
こういう話に若い人が興味を持ってくれるのは、ちょっと嬉しいですね☺
コロナによる閉そく感、ロシアとウクライナの戦争による、生活への影響は、第二次大戦中に比べればまだまだ甘っちょろいものかもしれません。
が、見方によっては今の世の中は『第三次世界大戦中』だという人もいます。
たまたま私たちの生きている地域に、今、リアルな爆弾が落ちてこないだけ。
戦闘機が飛び交っていないだけ。
そんな世の中で
「希望を忘れない」
というメッセージは、すごく重い、大事なものと言えるのではないでしょうか。
どんな状況でも、希望を持って、助け合い、支え合う。
幡男さんは、残念ながら病に倒れてしまいましたが、
それができる人が本当に生き残っていけるんだろうな。
正月映画としては重いテーマかもしれませんが、
新年の始めだからこそ、見て欲しいと思います。