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スニーカー通勤とビジネスリュックがもたらしたもの ~★に向かって走る~

スニーカー通勤とビジネスリュック。この二つは私の通勤に大きな変化をもたらした。ある夜、会社からの帰り道。50mはあろうかという急な坂を見上げると、坂の終わりには黒く澄んだ空に星が光っていた。「この坂、駆け上がってみるか!?」。

家は山の中腹にあり、職場までは徒歩7分ほど。それまでは革靴に手持ちカバンというスタイルで通勤していたが、何となく最近、スニーカーとビジネスリュックに変えた。別に最初から坂を駆け上がろうと思っていたわけではない。ただ、このスタイルにしてから小走りなどして背中のモノが上下するたびに懐かしさを感じていた。そう、小学校時代にランドセルで通学していた頃の感覚とそっくりだ。当時は家から2キロある学校まで走っていたから、それを思い出した体が走りを求めたのかもしれない。

36歳の男は坂を目の前に、ニューバランスの紐を固く結び直した。一抹の不安を拭い去るように勢いよくスタートする。坂道ダッシュは高校のサッカー部時代以来かな、その割には思ったより良い感じだ。視線は夜空の星へ向け、軽い足取りで「星に向かって駆け上がる」。これまでの人生で経験したことの無い感覚だった。このまま一気に!! という勢いは、残念ながら途中まで。俺の肺、一気に半減した? と疑うくらいの苦しさに抗えず、無念の途中リタイアとなった。

それ以来、ちょこちょこ仕事帰りに坂道ダッシュをするようになった。思ったよりストレス解消になる。ただ、あまりお勧めはしない。理由は2つ。1つ目はいきなり強い負荷をかけると怪我をする可能性があること。2つ目は変質者に間違われる可能性があること。想像してみてほしい、夜道でハアハアゼエゼエしているヤツはザ・変質者でしかない。時々犬の散歩をしている人とすれ違う時など、自分の心肺機能をいかにダマせるかに全力を注ぎ呼吸を整える。

伝えたいのは、スニーカーとリュックにしたことで生活にちょっとした変化が起きた、ということ。今のところ楽しくやれている。これからも怪我に気を付け、マイペースに続けていきたい。

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