レースペースでの練習は必要か? フルマラソン サブ3.5達成への条件を、自分なりに考えてみた
※2023年2月28日公開
私は前職ランニング雑誌の編集長という立場ながら、毎回撃沈レースを繰り返しては読者の皆さんに慰めの言葉をいただくという、何とも情けない数年間を過ごしてきました。しかし、2022年秋のつくばマラソンで、めでたく、そしてようやく、4時間切りを達成することができました。走り始めて約4年の苦闘の日々でございました。
サブ4成就となると、次なる目標として浮かび上がってくるのは、当然サブ3.5(3時間半切り)となるでしょう。まあ、そんなに簡単にジャンプアップできるものではないのは重々承知していますが、現時点では今年秋の水戸黄門か、つくばでの達成を目標に掲げています。
では、「サブ3.5達成のための条件」とは、そもそも何なのでしょうか? 少し自分なりに考えてみました。要点は下記3つです。
① 大前提として「スタミナの土台」を築く
達成への大前提として、まず大事なのは、42.195kmを動き続ける土台となる「スタミナ」を備えておくこと。そのために、サブ4達成の際に改めて大事だなと感じたのが、「日々のジョグを丁寧に、継続的に行う」ことです。
丁寧なジョグ、と書くと抽象的ですが、僕としては下記のようなことを考えています。
・体調に合わせて「きつすぎず、緩すぎず」
・単調にならず、メリハリをつける
・距離ではなく「時間」で考える
まず、GPSのペースに合わせるのではなく、その日のコンディションに合わせて「きつすぎず、緩すぎず」の体感で走るのを基本とします。とはいえ、体感も曖昧なところはありますから、ウォッチの心拍数(心拍ゾーン)を参照に最大心拍数70~75%程度で走ります。いわゆる、長距離走のスタミナにつながる、有酸素系能力や遅筋強化につながる運動強度です。最大心拍数183拍/分の僕の場合、138拍/分前後。心拍ゾーンでいえば、ゾーン3(有酸素ゾーン)の真ん中よりちょっと上辺りが目安です。
まあ、僕のような一介の市民ランナーだと、自分の最大心拍数が本当に正しい数値なのかという問題もありますが(僕は3km全力走をしたときの最大心拍数を参照にしています)、「きつすぎず、緩すぎず」の体感で走り終えると、いつもおおよそ平均138~140拍/分前後で収まっているので、あながち間違いではないかなと考えています。
もちろん、毎回同じようなジョグをしていても同じ刺激しか体に入りませんから、少しだけペースを上げて(心拍ゾーン4に近い3)時間を短めに走る、逆に少しだけペースを落として(心拍ゾーン2に近い3)時間を長めに走るなど、ジョグの中でもメリハリをつけることも考えています。また、履くシューズを替える(ソールが厚め・薄め、反発性あり・なしなど)、不整地も走る(公園の芝生や河川敷の草地)などでもメリハリを付けます。
「時間」で考えるのは、距離で考えるとどうしても「さっさと〇km走り終えたい」と、ペース・心拍数を上げ過ぎて「スタミナをつける」目的から外れたり、翌日に疲れを残したりする恐れがあるからです。40分、60分、120分と決めた時間内は走り続けるとなれば、おのずとペース配分に気を配れるようになります。そもそも、マラソンで『タイム』を狙うのだから、練習だってまずは『タイム(時間)』で考えたほうがいいのでは? ということです。
② 1km4分58秒超で走れる「イメージをつくる」
パラリンピック・マラソン代表チームの安田享平コーチを取材した際によくおっしゃっていたのが、「『このコースでキロ5分で走れていれば、レース本番は4分半で走れる』というように、イメージをもてるようにすることはすごく大事です」ということでした。
なかなかピンとこない言葉だったのですが、昨年スタミナ徹底重視練習をしてみて、なるほどと思うことがありました。「元気があれば何でもできる!」ではないですが、「スタミナがあれば速く走れる!」と感じたのです。土台が造れていれば、走力の底上げによって本番での速いペースにも対応できる、というイメージです。
実際に、レースでは大勢が走ることによって「流れ」が生まれるので、そこに上手に乗り、かつ反発性のある厚底シューズをうまく履きこなせば、1人で練習しているときよりも体感的に楽に、速いペースで走り切れるというコツは、つくばマラソンで何となくつかめたような気がしています。
では、サブ3.5に向けて「スタミナの底上げができている」と感じられるのは、どのレベルでしょうか? ここからはまったくの推測ですが、今夏の走り込みをして涼しくなってきた時点で、前述の最大心拍数75%平均で、1km5分25秒~5分30秒ペースの120分前後のロングジョグ(距離はハーフ程度)が余裕をもってできているくらいではないかな? と想像しています。
そして、最終的には30km走を1km5分10秒~5分15秒ペースで余力を残して走ることができれば、42.195kmをサブ3.5ペースで走れるイメージがつくのではないかなあと。つまり、スタミナのボトムアップ+イメージさえつけられれば、レースペースの「1km4分58秒」で走る練習にはさほどこだわる必要はなく、本番直前のペース確認程度で十分ではないかというのが現時点での展望です。
③ ハーフ100分切り・10km45分切り
もちろん、3時間半切りとなると、さすがにジョグ・LSDの繰り返しだけでは難しいでしょうから、心拍ゾーン4(ハードゾーン)の「質」を求めるメニューも定期的に入れていくつもりです。1月のハーフマラソンで自己ベスト(1時間43分43秒)を達成する過程で、ゾーン4のややきついペースで8km・40分程度走る練習を2週間に1回取り入れたところ、結構効果があったように感じました。
インターバル走のようなスピード練習をガシガシやるつもりは今のところありません。結局のところ、ジョグが一番気持ちよく日々のストレス解消に走れますし、無理に速く走って脚を痛めてランニングが継続できなくなるほうが、今の自分には怖いからです。今後も、あくまでメリハリをつけたジョグ中心でいこうと思います(もちろん、方針転換はあるかもしれませんが)。
以前、雑誌の企画で、ニッポンランナーズの齊藤太郎コーチにサブ3.5ランナーの持ちタイムの目安を挙げていただきましたが、ハーフ、10km、5kmで次のようにおっしゃっていました。
【ハーフ】 1時間40分[4分44秒/km]切り
【10km 】 45分[4分30秒/km]
【5km 】 21分15秒~21分30秒[4分15秒~4分18秒/km]
ハーフ100分切りは目下の第1目標。そして10km、5kmのレースはこれまであまり経験がないのですが、6月の富里スイカロードレース10kmにエントリーしたので、まずは、そこでどれくらいの力が出せるか試してみるつもりです。
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