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"肩前方部痛"をインピンジメントから考える

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みなさんこんにちは(^^)
肩関節機能研究会 代表の志水です
(Twitter→@echohuku Instagram→@shimizu__kota)

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ご購入者様の声
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みなさんは


肩の前方部痛

を訴える患者さん・クライアントさんを担当した経験がありますか?

そして

肩前方部痛といえば何が思い浮かぶでしょうか?


『上腕二頭筋長頭腱炎?』

腱板損傷?

『烏口上腕靱帯損傷?』


このあたりでしょうか?



確かに
肩の前方にある組織としては間違いではないと思います。


では、肩の前方部痛に加えて

この動作で疼痛を訴える人はどう考えますか?


画像17


こういった動作で疼痛を訴える患者さんを経験したことはないでしょうか?(この動作をそもそも確認したことがない方は、一度担当患者さんにこの動作で痛みがでるかどうか、聞いてみてもいいかもしれません。疼痛を訴える方は意外と結構いますよ(^^)



写真をみると肘の位置が違うことで、肩の屈曲角度が異なることがわかるかと思います。

左写真:下垂位での内旋
中写真:軽度屈曲位での内旋
右写真:90°屈曲位での内旋(水平屈曲位)

これは僕の考えになりますが、
下垂位と屈曲位では前方でインピンジメントする場所・組織が異なると思っています。(※90°屈曲位の写真は肩峰下での疼痛を誘発する肢位でもあるので、この肢位だけでは一概に前上方・烏口下インピンジメントといえないので、注意が必要です。)

そして、これらの肢位で生じる疼痛可動域制限は、原因となる組織の予測をするとともに、インピンジメントする部位を推察しています。


"可動域の原因を推測する記事"についてはこちらを参考にしてください(♡が150overの記事です。99%が無料で読めますので、とりあえず読んでおくことをオススメします(^^))


今回の記事は、上記画像のような

・下垂位内旋
・屈曲位内旋
・90°屈曲位内旋(水平屈曲位)

で疼痛を訴える症例を理解するうえで、参考になる内容となっています。

また、

・反対側の腰に手を伸ばす→下垂位内旋
・正面のものを取る→屈曲位内旋
・ボタンなしの服を脱ぐ(腕を交差させる脱ぎ方〈女性に多い印象はあります〉は特に負担が強いです)→90°屈曲位内旋(水平屈曲位)

といった肢位で疼痛を訴える。

つまり、日常生活でよく遭遇する症状の理解・改善のヒントになると思います。


インピンジメントの分類

では、最初に肩におけるインピンジメントの分類を理解しておきましょう。



これを覚えておくと今回の

・烏口下インピンジメント
・前上方インピンジメント


についての理解がしやすくなると思います。


『ん?いきなりなんだそのインピンジメントは?』


と、思われた方はまずはこちらをご覧ください↓

画像3

肩のインピンジメント症候群の分類をまとめた図となっていますが、結構重要なので覚えておきましょう。(最近こちらの図をツイートしましたがかなり反響がありました(^^)。大切だと思う人が多かったのだと思います。こちらからツイートを見る)


ちょっと余談ですが、今回これを調べていて個人的に驚いたのは

『インターナルインピンジメントに種類があるのか?』


ということです。

【僕(私)もそう思った!!】


と、多くの人が同じ気持ちになったのではないでしょうか?


ただ、そう思うのは仕方ない(もやは当然?)と思いますし、実は僕自身、数ヶ月前までずーっとそのような理解でした^^;


では、なぜそのような理解になってしまったのか?


ここは少し僕の私見を交えて解説します。(少しだけお付き合いください。)

国内で紹介されているインターナルインピンジメントの多くは『後上方インピンジメント』であり、このようなイラスト(シェーマ)で説明されていると思います。

画像12

今までの書籍やジャーナル(セラピスト系の雑誌)で紹介されている
インターナルインピンジメントは、ほとんどこのイラストで紹介されていますから、僕もこの認識で理解していたんだと考えています。

こういった点でも
「国内外問わず広く情報をインプットする必要があるんだな」と、思わされます^^;


とまぁ、とりあえず

"インピンジメントにはいくつかの分類がある"

といったことはわかりましたね。


そして、

インターナルインピンジメントには「前上方」と「後上方」がある

ということがわかったのではないでしょうか?

知識は常にアップデートしていかないといけないですね。


ちなみにですが、インターナルインピンジメントとエクスターナルインピンジメントの定義の部分は(諸説ありますが)このような感じです。

■インターナルインピンジメント→関節包内の組織損傷
■エクスターナルインピンジメント→関節包外組織の損傷

これについてはこちらの書籍が参考になっています。(英語ですがわかり易く書いてあるのでオススメです。)


ではこれらを理解した上で
次に、肩前方部痛の分類について解説していきます。

肩前方部痛の分類

いよいよですが、
肩の前方部痛の種類について簡単に考えます。


というのも、肩前方部痛といっても

【肩に問題がないケース】
【肩に問題があるケース】



があります。(ここでは""と大雑把に表現しています)

これは前方部痛だけではなく、肩痛全般にいえることですので覚えておくと良いです。


例えば
【肩に問題がないケース】であれば

頚部神経根障害
腕神経叢損傷
肩手症候群
神経炎

といった一見、肩とは関係ないものもあります。[1]


では、

【肩に問題があるケース】ではどういったものがあるでしょうか?

肩関節周囲炎
腱板損傷
腱板疎部損傷
烏口突起炎
烏口下インピンジメント
肩鎖関節障害
変形性肩関節症
pulley lesion
反復性肩関節脱臼
etc…

上記のように肩前方部の疼痛"だけ"でも数多く挙げられます。[2,3,4]


さきほども申し上げたように【肩に問題がないケース】"も"大切であり、頭に入れておいたほうが良い知識です。

ですが、この記事では肩に問題があるケース】のお話をしたいと思います。(そもそも肩に問題がないケースについては経験が少なく、実はあまり多くを語れないです。ごめんなさい^^;)


では、本題に入る前に
今回はこの記事を書くきっかけとなった出来事があったので、そちらをまずはお話したいと思います。

#前置きが長くてごめんなさい


記事を書くキッカケ

先日、後輩からこのようなことを相談されました。

「肩の前方に疼痛を訴える方がいるのですが、烏口下インピンジメントなのか、前上方インピンジメントなのかわかりません。」と


この時、僕はこう思いました。


『ん?なぜ肩前方部痛でいきなり烏口下インピンジメント前上方インピンジメントが選択肢として出るのか??』


そんな疑問を思いつつ後輩と少しやりとりをしたのですが、いくつか質問した後にわかりました。

・MRIおよびエコー(超音波画像診断装置)にて上腕二頭筋長頭腱炎否定的(Dr.と相談して)
アッパーカットテスト陰性、上腕二頭筋長頭腱炎の圧痛なし
水平屈曲位(対側の肩を触れる動作)にて疼痛が出現

といった上記のような所見から


烏口下インピンジメント前上方インピンジメントの可能性があるということを考えたようです。(また、Dr.からは烏口下インピンジメントか前上方インピンジメントかはちょっとわからない、といった話もあったようです。)


ここまで知っているのであれば烏口下インピンジメントや前上方インピンジメントについても知っていておかしくないと思いますよね?

ただ実は、この後輩はまだ1年目で少し前に上腕二頭筋長頭腱炎について詳しく教えたばかりなので、"ひとつずつ"理解している段階なのです。

そして先程の質問(相談)があったので、指導する目的でも今回の記事を書こうと思ったのです。


ということで、この記事をご覧になっている方には
先程の上腕二頭筋長頭腱の整形外科的テストもそうですが、今回の前方部痛に関するものを合わせて理解し、ご自身のインプット、そして後輩などへのアウトプット(指導する)資料などに使っていただければいいかな〜っと思ったりします。


また、前述した上腕二頭筋長頭腱の整形外科的テストの、アッパーカットテストはこのようテストです↓


そして、このアッパーカットテスト上腕二頭筋長頭腱の触診(結節間溝部分の圧痛所見)を組み合わせると感度(88.4%)・特異度(93.8%)とともに高く、検査として有用であるとされています。

エコーを用いると更に精度を増すと言われているので、臨床でエコーを用いている先生方はぜひ活用してみてください。


と、かなり前置きが長くなりましたが、まだちょっと本題まではあります。笑


肩前方部痛を理解するためにも、"肩前方部分の解剖"を知らないと理解も乏しくなってしまいますので、基礎的な解剖を学習・復習していきましょう!


肩前方の解剖

肩前方にはこのような組織があります

【筋】

三角筋
大胸筋
小胸筋
上腕二頭筋(長頭・短頭)
烏口腕筋
肩甲下筋


【靭帯』

烏口肩峰靭帯
鳥口鎖骨靭帯(円錐靭帯・菱形靭帯)
烏口上腕靱帯(腱板疎部)
横靭帯
関節上腕靭帯
・上関節上腕靭帯
・中関節上腕靭帯

【滑液包】

肩峰下滑液包
三角筋下滑液包
烏口下滑液包
肩甲下筋滑液包


だいたいですが、肩前方組織としてはこのようなものが存在すると思います。


ただ、肩前方部痛について理解する上ではこれらすべての組織を知る必要はないと思います。


肩前方部痛を理解する上で重要となる組織は…

・上腕二頭筋長頭腱
・肩甲下筋腱
・烏口上腕靱帯
・上関節上腕靭帯
・鳥口滑液包


このあたりになりますので
「いま一度、どの組織が、どこに位置しているのか?」を
理解しておくと、本題の理解が深まるかもしれません。

と、いうことでここからが本題になります❗

#やっと本題にはいれます
#前置きが長くてごめんなさい


ここまで読んで「為になった!」と思った方は"イイね"を押してください😆
結構嬉しいです😁

note.サムネ

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大ボリュームで、臨床での考え方をup dateできるような内容となっていると思います(^^)

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