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1億5000万年前のジュラ紀に「鳥」がいた可能性
現代鳥類と同じ短尾の
鳥類化石が中国で発見
わたしたちに身近な生き物のひとつに「鳥」がいます。翼をもち、硬質なくちばしでエサをついばむ、卵生の恒温動物。その姿は多岐にわたり、森林に山地、水辺、住宅街にまで幅広く適応して、風景に馴染んでいます。
わたしたちの生活に馴染み深い現代の鳥類は、いつ頃地球に登場したのか。そのヒントとなる化石が発掘された、と2025年2月に科学雑誌『ネイチャー』にて発表されました。発掘されたのは、現代鳥類と同じように尾部が短い鳥類の化石出そうで、ジュラ紀に相当する1億5000万年前の地層からみつかったとのこと。今回の発見により、現代鳥類の起源が2000万年近くさかのぼることになるそうです。
「始祖鳥≠現代鳥類」
分類学でみる鳥と恐竜
「鳥の起源というと、始祖鳥じゃないの?」と、少し生き物にくわしい人は疑問に思うかもしれません。「始祖鳥(アーケオプテリクス/アルカエオプテリクス)」とは、ドイツで発掘された恐竜と鳥の中間のような生き物の化石です。前肢は立派な翼が確認できますが、現代鳥類と違って立派な胸骨がなく、うまく飛べなかったとされています。
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じつはこの始祖鳥、今の分類では現代鳥類(新鳥類)とは異なるグループに分けられており、分類学的にはトロオドンという恐竜に近い生き物とされています。というより、鳥がそもそも「獣脚類」というグループに含まれるため、じつは「鳥=恐竜」という考え方も存在します。「始祖鳥≠現代鳥類」で「鳥=恐竜」……。幼い頃から鳥と恐竜のつながりは耳にしてきましたが、改めて文章におこしてみると、なんだか不思議な気がします。
そもそも恐竜と鳥との
境界線はどこにあるか
恐竜というグループに鳥が含まれるのなら、恐竜と鳥(現代鳥類)とで分けるポイントはどこにあるのでしょうか。近年の研究で、羽や羽毛が生えていた痕跡がある恐竜の化石も多く発掘されており、その境界線はかなり曖昧になっているような気がします。
わたしなりに調べてみた結果、おそらく歯の消失とくちばしの獲得は、大きなポイントのひとつになると考えています。書籍によると、約6600万年前に発生した小天体の衝突による大量絶滅後、新鳥類はくちばしを獲得して種子食性になることで生き延びることに成功したそうです。始祖鳥のくちばしにも歯が生えているため、現代鳥類との大きな違いといえるでしょう。
ただ、さらに系統図を細かくみてみると、白亜紀に生きていた「イクチオルニス」という歯が生えたくちばしの生き物が存在しています。こちらは限りなく鳥類に分類される生き物ですが、まだ現代鳥類とは異なるようです。
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そのうち完全なくちばしをもつ恐竜の化石がまた発掘される可能性がゼロとはいえないと思うので、この境界線はより曖昧になっていくことでしょう。そうなればなるほど、現代を生きる鳥たちに太古の王者の威風が感じられそうな気もしますね。
参考文献
・「”鳥類の起源 2000万年近くさかのぼる”初発見の化石で 中国」NHK NEWS WEB
2025年2月14日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250214/k10014721811000.html(2025年2月18日確認)
・BIRDER編集部(編)『羽毛恐竜完全ガイド』文一総合出版 2023年
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