緑の葉が増して、紅い花は散ってしまったんじゃないかしら?
中国の詩で、素敵な一文があります。
知否知否,應是綠肥紅瘦
Netflixで、2018年の中国ドラマ「知否知否,應是綠肥紅瘦(邦題:明蘭〜才媛の春〜)」を視聴しました。 この作品は全73話で、長いけど飽きない、細部までこだわった非常に見応えがある作品でした。特に印象に残っているシーンの感想を述べていきたいと思います。
※あらすじは割愛します。
大きくなる敵の存在
明蘭の最初の敵は父親の側妻の林噙霜でした。
彼女は正妻の座を奪い取ろうとよく悪知恵を働かせて家の中を乱していました。ですが聡明な明蘭からすれば林噙霜の手の内は明らかで、林噙霜が失脚するのは時間の問題でした。林噙霜は最期、明蘭の策略にかかり、病死という結末を迎えました。
明蘭は結婚し、次の敵は嫁入りした顧家の大奥様である秦氏です。秦氏は林噙霜より何枚も上手で、人を操ることが得意でした。おまけに親戚のおばたちも寄ってたかって嫁いびりをするものですから、見ていても本当に歯がゆかったです。
しかし秦氏も明蘭の粘り強い反撃で勢力を弱めていきました。最期は発狂して自宅を放火し、自害してしまいました。
最後の敵(?) は王家と皇帝だったかと思います。物語が進むにつれ、明蘭も成長し、敵も一筋縄ではいかなくなる様子がとても見応えがありました。
奥様と侍女の絆
最終話直前で心に残ったシーンがあります。奥様と侍女の絆とは、明蘭と小桃ももちろんなのですが、王若佛と劉ばあや、秦氏とその側近(名前を失念しました…)についてです。
・王若佛と劉ばあや
若弗の宥陽行きが決まり、若弗は劉ばあやにお前はここに残りなさいと言うのですが、劉ばあやは「そんなわけにはいきません。私はお嬢様が小さいころから仕えてきたのですから、どこまでも一緒です」と言いました。
中国語では、嫁入り前の女性のことを「姑娘gu niang=お嬢様」、既婚女性のことを「大娘子da niang zi=奥様」と呼び分けます。
劉ばあやがあの時、昔に戻った気持ちで若弗をお嬢様と呼んだ瞬間はグッときました。
・秦氏とその側近
この二人も同様に、秦氏が業火の中にいる時に側近が「お嬢様!」と叫んでいました。小さい頃からしわができるまで連れ添ったのに…自害する姿はとても見るに堪えなかったでしょう。
呼び名の件から、上記4人の歴史を感じ取ることができました。
ちなみに明蘭と小桃はお互い食べるのが大好きで、いつももぐもぐしている様子がすごく可愛いです。
迫真の演技
物語の途中、朱曼娘が顧家から追い出された後のこと。都を追放され、お金を稼ぐためにここで酒楼のオーナーに働かせてくれとせがみ、自分は歌も歌えると、一瞬歌を披露してみせました。すぐに顧家の見張り役に見つかり、やむなくその場を離れましたが、見張り役たちに向かって叫んで唾を吐いた瞬間は、リアルな人間味を感じました。
名字について
最終話、秦氏が自暴自棄になり息子である顧廷偉を井戸に閉じ込めます。側近が「あなたがお腹を痛めて産んだ子なのに、なんてことを!」と言うのですが、私は秦氏の返事に驚きました。
日本語字幕では「あんな人間知らないわ!」だったのですが、オリジナル音声は”他姓顧的”。「あいつは名字が顧で、顧家の人間だから私には関係ないわ」というニュアンスです。
中国や欧米は夫婦別姓が基本なので、子供と母親の名字が違いますよね。それにより実の息子も他人とみなしたシーンは、日本語では表現できない辛さがありました。
明蘭、死す!?
物語もクライマックス、なんと明蘭のお産中に顧家が放火されてしまう…。苦闘の末に生まれた息子をやっと抱擁できたのも束の間、王若弗の姉が明蘭を殺害しに部屋に侵入。侍女たちを退け、明蘭をめがけて刃物を振り下ろしたその一瞬に顧廷燁が戻り、若弗の姉の背中を刺し、明蘭殺害をなんとか阻止できました。
そのたまらない主人公感に私は瞬きすら忘れて見入ってしまいました。
ちなみに古代のお産って、天井からループ状のひもを吊り下げて、それに捕まっていきむのですね。興味深かったです。
以上が、私が特に面白いと感じた点でした。
普段歴史ドラマを見ない私もどっぷりハマってしまい、次へ次へと視聴を進めてしまいましたが、それでも見終わるまで1か月かかりました(笑)
登場人物が多いので4話くらいでやっと名前を覚えました。
興味を持ったよ!という方はぜひNetflixでご視聴あれ。本当に止まらなくなるので、時間がある時をおススメします…。
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