なんとなく使ってる「お疲れ様です」について考えてみた
「お疲れ様です」という言葉がどうにも苦手である。
幼いころから、大人が「お疲れお疲れ〜」と挨拶を交わしていることに違和感を感じていた。
深い理由はないが、耳にするたびになんだか少し悲しい気持ちになっていたのだ。
「大人ってみんな疲れてるのかな…」と。
昔から「おはよう」「こんにちは」といった挨拶のほうが、心が前向きになる感じがして好きだった。
もちろん僕も、不意に「お疲れ〜」と言ってしまうことはあるのだが、言った後にやはり少し気分が落ちる。
「あ、自分疲れてるのかな…」
「相手が疲れてる前提で話してしまったな…」
といった考えが頭をよぎってしまうのだ。考えすぎだ自分よ。
何かに対して疲れてることを前提とした言葉であることも、苦手な原因の一つかもしれない。
「この挨拶が定着してるってことは、昔から日本人はみんな疲れてたのかな…」みたいなよくわからない考えが浮かんでくる。
日々の苦労をねぎらう心遣いは素晴らしいものだと思うのだが、忘れていた疲れをあらためて実感するのがどうしても先に来てしまう。
僕にとってはマイナスイメージの「お疲れ様です」だが、もちろん言われて嬉しいという方も少なくないだろう。
同じ言葉でも受け取り手や状況によってイメージが異なり、相手の心情の変化も千差万別だ。言葉とはなんとも不思議なものである。
…とまあこのように、日常で耳にする言葉に過剰に考えてしまうのが良くも悪くも自分の性分なのだが。
将来、「お疲れ様です」と言われて「わしゃ疲れとらんわい!」と返すような頑固なおじさんにならないことを祈るばかりである。
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