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ミッドナイトスワンを観た。※ネタバレ有

映画『ミッドナイトスワン』を観てきました。

元々トランスジェンダーを主題にした重めの作品が好きなことと、主演が草彅剛さん(小中の頃に、はじめて好きになったタレントさん)だったことで、これは観に行かねば…!と思っていました。

ただ絶対に情緒がメチャメチャになるだろうなという予想がついていたので(笑)、余韻に浸れるように日曜のお昼の回を選択。大正解でした。台風がなければ土曜に見て、日曜ずっと余韻に浸っていたかったな…。

パンフも注文済、原作本も本屋さんをはしごしてゲットしてきましたが、映画だけを見て感じたこともまとめておこうと思います。

※以下、ネタバレありの感想です。ネタバレNGの方はご注意を。

・凪沙の違和感のなさがすごい。演じているというよりも役そのもので、そうだった草彅剛さんはこういう演技をする人だったと思い出した。

・りんの親の毒がリアルすぎておおう…となった。一果の親はまぁだめだけど分かりやすい。水川あさみさん演技上手だなぁ…あと凪沙の母親役の方も。反応がリアルで胸が痛かった。

・バレエ教室の先生いいひと。

・一果も凪沙も「お金のために身体を許すこと」をしなかった、できなかったことにすごく好感を持った。「私たちみたいなのは、自分を大切にしないかんのよ」「強うならないかんのよ」って言葉が効いてくるよね。そう思っていた凪沙が、一果のためにならって一度はその言葉を反故にしようとするのも、しんどいけど愛情なんだろうなと思った。

・最初の一果たちの家の汚さと凪沙の家の綺麗さが、終盤逆転していること(凪沙は手術の後遺症で動けなくなり部屋が荒れ、一果は母と上手く生活していけている)にぞくっとした。美醜や光と影の対比がところどころで出てきて、残酷だけど目が離せなかった。

・りんとの関係。百合(私は百合が特に好きです)じゃん…と思ったのもつかの間、屋上でのシーンになった瞬間に「あ、これは」と、どう展開するか分かってしまって苦しくなった。

・凪沙もりんも、一果が現れなければ死ぬことはなかっただろうけど、きっとそういうことではないんだと思う。圧倒的に美しいものを見た時に、人は無力というか、そうなるべくしてそうなってしまうというか。覚悟を決めることが出来ると言ったらいいのか。現に二人とも、一果に嫉妬したり失望したりすることはないんだよね。一種の希望として、彼女を見ていたような気がする。エンドロールの後のワンシーンを見ると尚更。

・最後に海に行くシーン。「ベニスに死す」を思い出して、どうなるかなんとなく分かりながらも、最後に小学校の時、海にね…の話を持ってくるのがもう!!!(号泣)となった。自分のなりたかったもの、憧れである少女、母、女に一瞬でもなることができて、それは目の前で踊る美しい一果がいたからだ、っていう、凪沙にとってはきっとこれが「幸せ」だったんだろうなと思えた。

・手術の後遺症で亡くなることがあることは、以前鑑賞した「リリーのすべて」で知っていたけれど、すっかり忘れて凪沙は病気か何かで亡くなってしまうのかな、と思っていた。でも、そうじゃなかった。手術そのものも、術後どうなってしまうかも、すごくリアルに描かれていてクるものがあった。

・「何で私だけ」「何で」がもう本当に、誰も悪くないから余計泣けてきた。「こんなもん泣けば大抵おさまるわ」という言葉に、今までの苦しみが凝縮されている感じがした。

・就職のため男の姿になって一果の頭を撫でるシーンがもう本当に優しさ溢れていて、いいなぁとなりました(これはただの邪念)

ひとまずこんな感じ。しばらくは余韻に浸っていると思うので。また色々思い出したら、あと原作本とパンフ読んだら新しくnoteに書くと思います。

とにかく素晴らしい映画なので是非観てください!

あと、余談ですが小学生の時に好きになった人やものは多分一生好きだなと気づきました。10年ぶりに再熱する予感がする。人生楽しいね!!!

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