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目標管理(MBO)は評価のツールではない

多くの企業で目標管理(MBO)を評価のツールとして使われている。
しかし、これはMBOが本来意図していた使い方ではないと筆者は考える。
このMBOとは、Management By Objectivesの頭文字を取ったものであり、
日本語に訳すと「目標によって管理する」という意味になる。
MBOはもともとは経営学者として有名なドラッカーが提唱したManagement By Objectives and Self-Control  に始まるものである。ここで注目してもらいたのは、ドラッガーが提唱した際には、末尾にSelf-Controlという言葉があることである。これを含めて日本語に訳すと、「目標と自己管理によってマネージメントすること」となる。 つまり、個人の自己管理の下で目標を設定してマネージメントするということである。現在、多くの会社で導入されいるMBOには、この自己管理の下でという重要な部分がが抜けて落ちているのである。そこに、現在のMBOの問題の一つがあると筆者は考えるのである。

では、なぜ、このようになってしまったのであろうか? ドラッカーは、MBOについてコンセプトを提唱しただけで、具体的な活用方法や運用方法までは言及していませんでした。このため、このコンセプトを企業が採用した際にさまざまな解釈が生まれ、自己管理とい言葉が抜け落ちてしまったのではないかと思われます。
企業から見た場合、社員が自己管理の下で目標設定することに任せるよりは、上から目標を落として管理する方が都合が良かったのかもしれません。

そして、更に問題だと思うことは、このMBOのコンセプトが日本に導入される際に、これを目標管理と訳してしまったところです。Managementのことを日本語では管理と訳しますが、管理という意味に一番近い英語はControlです。Manageという言葉を辞書で調べると「やりくりして成し遂げる」とあるので、MBOの本来の意味は、目標によってやりくりして事を成し遂げるということになるかと思います。そして、これにSelf-Controlという言葉が加わると、自ら主体的に目標を設定して、自己管理の下でやりくりしながら事を成し遂げると解釈できるのではないかと筆者は考えます。

このように、MBOが本来の意図するものは、個々人が事を成すために何をどうすれば良いを考え、その進捗を自ら管理していくためのものでり、評価のためのツールではないと言えるのではないでしょうか。
ただ、これも筆者の勝手な解釈であるため、ドラッカーが本来意図していたものとは違っているかもしれませんが。




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