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2024年映画感想

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2024年に書いた映画の感想。
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記事一覧

2024年映画感想No.22 ぼくのお日さま ※ネタバレあり

「眼差し」の雄弁さ~肉体的な感情の発露 ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。 冒頭、野…

けんす。
2週間前
7

2024年映画感想No.21 SUPER HAPPY FOREVER ※ネタバレあり

何気ない描写の精度の高さ 新宿武蔵野館にて鑑賞。 冒頭から明らかに様子のおかしい主人公・…

けんす。
3週間前
5

2024年映画感想No.20 ソウルの春(原題『12.12: The Day』) ※ネタバレあり

毎回感心する韓国映画の文化的成熟度の高さ ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。 独裁政…

けんす。
4週間前
9

2024年映画感想No.19 ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ ※ネタバレあり

主人公二人と冬村かえで〜対照性を示す冒頭の編集 キネカ大森にて公開初日に鑑賞。 追いかけ…

けんす。
1か月前
24

2024年映画感想No.18 スオミの話をしよう ※ネタバレあり

久しぶりに観る三谷幸喜監督作品 キネカ大森にて公開初週末に鑑賞。 三谷幸喜は日本で一番有…

けんす。
1か月前
2

2024年映画感想No.17 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(原題『The Holdove…

アレクサンダー・ペイン最新作〜「人生のままならなさ」という作家性 1回目をBunkamuraル・シ…

けんす。
2か月前
13

2024年映画感想No.16 キングダム 大将軍の帰還 ※ネタバレあり

豪華な役者で見せるダイジェスト演出 キネカ大森にて鑑賞。 前作『キングダム 運命の炎』から始まった趙軍との戦いの続きを描く。冒頭にあるキャストの豪華さを活かした前作のあらすじダイジェストがカッコ良かった。キングダムといえばこのオールスター感!というところをちゃんと押し出している。 前作は作品間の描いていない時間をもろにバーフバリすぎる石像ダイジェストで描いていたけど、前作の直後から始まる今作はちゃんと前作で起きたことを説明しないといけないという事もあって役者の顔で一つ一つの

2024年映画感想No.15 クレオの夏休み(原題『Ama Gloria』) ※ネタバレあり

親密な距離感を映すカメラワーク ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。 幼いクレオとナ…

けんす。
3か月前
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2024年映画感想No.14 関心領域(原題『The Zone of Interest』) ※ネタバレあり

保たれる"普通"の異常さ 109シネマズ川崎にて鑑賞。 冒頭のピクニックがどこにでもあるのどか…

けんす。
3か月前
6

2024年映画感想No.13 ルックバック ※ネタバレあり

「表現すること」の救いと苦しみ ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。 原作は読んだ時に…

けんす。
4か月前
7

2024年映画感想No.12 告白 コンフェッション ※ネタバレあり

ハイコンセプトなあらすじと監督の作家性の融合 シネクイントにて鑑賞。 まずは「死ぬと思っ…

けんす。
4か月前
2

2024年映画感想No.11 若武者 ※ネタバレあり

二ノ宮隆太郎監督らしい厭世と自己嫌悪 ユーロスペースにて鑑賞。 他の二ノ宮隆太郎監督作同…

けんす。
5か月前
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2024年映画感想No.10 マイ・スイート・ハニー(原題『Honey Sweet』) ※ネタバレあり

キャスティングに必然性のある物語 MOVIX京都にて鑑賞。 ユ・ヘジンが主演でラブコメをやるこ…

けんす。
5か月前
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2024年映画感想No.9 パスト ライブス/再会(原題『Past Lives』) ※ネタバレあり

パーソナルな物語を巡る眼差しの導入 TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。 人にはわからない登場人物たちのパーソナルな感情、関係性を巡る物語だということを「傍目からみて関係性が理解できない」という他者からの目線で示すファーストシーンからグッと引き込まれる。パッと見てわかるほど単純でも、一言で説明できるほど簡単でもない。唯一選ばれた可能性である現在として男女が並んで語らう姿があり、そこから過去を遡るからこそ二人が歩んできた長い時間と、後戻りできない人生の限界が常に横たわっている。