米を殺す炊飯器
我が家には「米を殺す」と呼ばれた炊飯器が存在した。
「米を殺す」
ご察しの通り、米がクソマズく炊き上がるのである。
初めて我が家を訪れた彼女が、あまりのマズさに米が殺されている、と教えてくれたことから発覚した。
どんなに丁寧に吸水しても、リュウジのバズレシピのやり方で炊き上げても、我が家の米が殺されていく。
どのように米を殺していたか
炊きムラ
米の中心部と外縁で、米の炊き加減に雲泥の差がある。
外縁はほぼ焼きおにぎりだし、中心はおかゆである。名ばかりの保温
保温はできる。確かにできるが、絶対に温度が高すぎる。
一度保温を押そうものなら底のほうからせんべいが出来上がっていく。異臭
「なんか変なにおいがする」
僕は気づかなかった。知らぬうちに炊飯器に飼殺されてしまっていたようだ。サトウのごはんを買ってきて食べてみた。いいにおいがした。
なぜ米を殺す炊飯器を買ってしまったか
金がなかった
社会人になり、一人暮らしを始めた僕には金がなかった。
田舎の地価に慣れていた僕には東京の家賃は高すぎて、高低差でむち打ちになるかと思った。
そんな状況で炊飯器にウン万と出せるほど僕の懐は暖かくなかった。また、僕の実家は太くなかった。
調べてなかった
いざ一人暮らしを始める、となって忙殺された僕は、炊飯器について調べるのを怠った。
家賃が安いわりにアクセスが良く、広い家をSUUMOで見つけることに躍起になっていたのだった。
調べればすぐに出てきた。「マイコン式はやめとけ」と。
高機能に踊らされた
低糖質モード
サラダチキン
温度設定
一応の一応で2,3分調べた僕は、上記の機能に踊らされた。
安いのに高機能やん!と
ただ、実際低糖質モードはセッティングや洗い物が面倒で使わないし、サラダチキンは低温調理器で作ったものがおいしすぎてこちらも使わない。
炊飯器の多機能モードを日常的に使っている人って意外と少ないのではないだろうか。
米が美味く炊けること、それだけで十分なのに。
炊飯器の格
調べて分かったこと、それは
「炊飯器には、格がある。」
ということだ。
詳しくはGoogle先生に聞くのが手っ取り早いが、簡単に言うと以下である。
米殺炊飯器は、言わずもがなマイコン式であった。
それも象印とかSHARPとかですらないよくわからないメーカーの。
米を生かす炊飯器
現在、僕は米を生かす炊飯器を使っている。
圧力IH式のものを買ったのである。
マイコン式と比べて多少価格は上がったものの、圧力IH式の中ではかなり安いモノを買ったので、そこまで高くならなかった。
マイコン式と比べて8000円ほどしか変わらないが、違いが歴然としている。
炊き上がった米にムラはないし、保温しておいた米がおいしい。
何なら、炊いた後に冷凍してもおいしい。普通に感動した。
最後に
皆さんの中にも、知らずのうちに米を殺している人はいないだろうか。
この機に自分の家の炊飯器が何式なのか、確認してみてほしい。
土鍋で炊いたご飯もおいしいよね。
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