モノの価値と値段
コロナのせいもあって、世の中が変わるスピードがものすごい!
今まで私たちを縛っていた常識や世間体などというものが覆えされ、面白いくらい価値観が変わったし、随分風通しも良くなった気がする。
「これ意味ある?無駄じゃない?」と自分の考えをためらわず口にでき、新しい行動が始まりつつある。
その中でも特に変わったのは「モノを買うこと」だと思う。
消費が減って経済が回らないとか言われるけれど、モノを沢山持っていることは、今や豊かなことじゃくて、逆にノイズと感じる人だっている。
わたしも娘に「生きているうちに捨てて」と言われて目下、断捨離中(笑)
わたしも今までずっと〝こうあるべき〟というスタイルや作られたトレンドに振り回されていた。安くてお得は、何処かの誰かが犠牲になっていたことに気づかなかった。
物価がどんどん上がりつつあるこれからは、モノの値段と価値が大きく見直されるだろうけど、それは良いことだと思う。
そのモノが持つ美しさや意味は、受け取る人によって異なるし、万人に受ける必要はない。
自分の作品も価格設定にあたって周りから「値段を上げるべき」と言われ随分躊躇したけど、今ならわかる。できた品には材料費や経費という数字にプラスして、アイデアを考える、手を動かして作るといった付加価値が含まれるから。私がこの仕事をできる時間は限られたものだから。
それに「憧れのマイホーム(=大きな借金)」は今や〝人生の大きな足かせ〟。リモートゆえに旅するようにいろんな土地で暮らす人も増えたし、移住も珍しくない。
建築家の谷尻さんでさえ、都心に家を建てるにあたり「貸しながら暮らす」という形でリスクを減らしたと知り、新しい時代を感じた。
最近では「いつか行きたい、いつか欲しい…」と思ってる間に、最近は店も品もどんどん消えてゆく。
だから、身の周りのモノを減らしつつある私だけど、コレ!と感じるモノはすぐに買うし、応援したい作家さんの作品にはお金を出す(=投資する)ことにしている。
でないと小さな規模で商いをする人やお店は、たぶん余力がなくて保たないから。同じ意味で、ショッピングセンターがオープンして何年か経つと、無難な店ばかりになって面白くなくなるのは仕方ないんだろうな。
人は人、自分の幸せはコレ。
考えて選ぶけど欲張らない、でも諦めない。
人も自分も社会も変わるという前提で、しなやかに生きていきたい。