WISCだけでは、充分ではない理由
子どもの発達や学習の課題を理解し、最適なサポートを提供するためには、WISC(ウェクスラー式知能検査)だけでは不十分です。確かに、WISCは子どもの知的能力を把握するために非常に役立つツールですが、すべての問題やニーズに対応できるわけではありません。ここでは、WISC以外のツールも必要な理由をいくつかご紹介します。
1. 知能検査だけでは学習や行動の課題を網羅できない
WISCは知的な側面に焦点を当てていますが、学習の特定分野(読み書き、計算など)や感情・行動面の問題を評価することはできません。例えば、読み書きが困難や社会性、コミュニケーションに課題がある場合には、知能検査だけでは不十分で、その他の専門的なテストが必要です。
2. 学習の困難や発達の課題に対する具体的な支援策がわからない
WISC-Vは子どもの知的な強みと弱みを把握するのに役立ちますが、読み書き計算やコミュニケーション、行動面への具体的な対応策を導くためには、より詳細な評価が必要です。例えば、読み書きの困難を評価するためには、読み書きのスキルに特化したテスト(例えば、STRAW-RやURAWSS IIなど)が重要です。お子さんに適した学習スタイルを見つけるためには、KABC-ⅡやDN-CASも有益です。これらの結果を基に、子どもに最適な学習支援を設計できます。
3. 感情や行動面を評価できない
子どもが感情的に不安定だったり、行動上の課題を抱えていたりする場合、WISC-Vだけでは十分な情報が得られません。感情面や行動面を評価するためには、Vineland-Ⅱ、Conners3などのツールが役立ちます。これにより、子どもの全体像を把握し、適切なサポートが提供できます。
4. 多面的な評価が必要
子どもの成長を支えるためには、知能だけでなく、学習スタイル、感情、家庭環境などの多面的な情報を収集することが重要です。WISCはその一部として役立ちますが、他の評価や観察を組み合わせることで、包括的なサポートが可能になります。
もし、お子さまのことで気がかりがあれば、適切な評価と支援がある場所を探してみてください。大きく困る前に手を打つことが肝心です。
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