未来視
「視界と世界」
この世はね、あなたのピントを中心に回ってる。
すべての道は、ローマでも日本橋でもなく、あなたに繋がっている。
伴侶も我が子も肉親も、あなたを中心に回っている。
実寸大の地球儀の上で、生きるあなたの現在地。それが世界の中心地。
数えきれない世界の中心。
「冷ための未来」
合理化に温もりと真心はなくなって
たまに会うおばあちゃんとの時間にコスパは存在しなくて
冷えたオムライスを温めなくてもいい自分がいて
人の手の中にある真心が美味しくて
貪る自分が嫌になって
だから僕は早めに死にたい
死因は温もりのカロリーオーバー
「旧市街」
行き止まりの多い街。規律なく、乱雑に置かれた建物の隙間。どれも歪で、不確かで崩れやすくて、凸凹で、でもどこかでほんの少し安心する。完璧じゃないこの街にホッとしてる自分がいる。
すぐとなりには新市街。
未来詩