見出し画像

「性」欲(1)~女性(キミ)から幸せをもらう男性(オレ)

振り返り③ 「性」欲(1)~女性(キミ)から幸せをもらう男性(オレ)

自分のなかにある「女性に対する暴力」について向き合い
文章にすることを始めました。
自分のための覚え書きのようなものでもあり
同じようなことを考える男性のためにもなるかなと。

今回はその3回目。
自分のなかのドロドロとした
女性に対する「性」欲について、その1。

内容的に下ネタではありませんので
そういう意味ではご安心ください。

手を繋ぎたい。キスをしたい。

女の子と……
好きなあの子と……

いつからでしょうか。
幼いころから、そんなあこがれがずっとありました。

そこにきっとある
あたたかな気もち
幸せな気もち

小さい子どもの夢ならば
それはかわいく、ほほえましいでしょうか。
そう思ってもらえるのは、いつまででしょうか。

漫画やアニメ、ドラマの影響が大きかったと思います。
好きな人の手を握る自分、相手を抱きしめる自分
その唇にキスをする自分を何度も想像し、胸を高鳴らせていました。

女性(キミ)の手に触れた日。女性(キミ)の手を握った日。

思い出すのも恥ずかしい、というか
いま思い出すと、自分を気もち悪く思うできごと……

小学校の高学年のころ
大人の長い話を聞いている最中に
隣の席に座った女の子
椅子の横に、無造作に降ろされた 手

好きだったから
自分も椅子の横に手を降ろして

触れた 握った
「……あったかいね…」
小さくそうつぶやく声に
彼女も嫌がることなく
握り返してくれた

……ように感じていました。

あたたかかったし
全身に幸せな気もちが走った時間……

大好きだった
話はできても
触れることのできなかった女性(キミ)に
触れた男性(オレ)は
とても幸せな気もちになっていました。

でも女性(キミ)は
それから男性(オレ)と話をしてくれなくなりました。

男性(オレ)から女性(キミ)への
あまりに一方的なその行為……
それは紛れもなく、暴力そのものだったと
いま振り返ります。

好きだから……

中学生になって
何人かの女性とお付き合いをして
自分よりもずっと
恋愛経験が多い女性もいて
触れること、抱きしめること、キスすること
その幸せを覚えました。

そしてその幸せを
男性(オレ)はますます
女性(キミ)に求めるようになりました。

そうして男性(オレ)はむさぼるように
(と書きながら、恥ずかしく、また気もちが悪いのですが)
女性(キミ)との触れ合いを求めていました。

決して強要したことはありません。

……いや、実のところ
わかりません。

女性(キミ)は内心、嫌がっていたこともあったのかもしれません。
嫌がることが、できなかったのかもしれません。
それは、女性(キミ)の優しさだったのかもしれません。
でもその優しさも、男性(オレ)が強要していたのかもしれません。

好きだから、愛しているから

そんな理由をつけながら
男性(オレ)は男性(オレ)の幸せな気もちが満たされるために
女性(キミ)に触れ、女性(キミ)を飲み込んでいたのではないか……

自分の「性」欲の根っこを
ここに感じています。

「君はいつも僕の薬箱さ
 どんな風に僕を癒してくれる」

あの歌の歌詞が
また頭に浮かんできます。

男性(オレ)は女性(キミ)を
自分がほしい時に、自分に幸せを感じさせてくれる
自分に都合のいい存在として見てきたのだと思います。

そうしてあたりまえのように
女性(キミ)に暴力をふるってきたのだと思うのです。


お読みくださりありがとうございます。

「女性(キミ)と男性(オレ)」シリーズの目的は以下の通りです。
 ・自分が男性として、いかに女性に対して暴力的である/あったか
  過去のエピソードとともに振り返ること。
 ・自分の男性性と女性に対する暴力性、
  自らに染みついている無意識の偏見や(女性)差別を言語化すること。
 ・それらに決して妥協することなく、
  より具体的に「非暴力」への歩みを進めていくこと。

筆者以外にも、自分の男性性や暴力性、加害性に悩み、
それらと向き合いたい、なんとかしたいと思っている方が、
自ら考え取り組むきっかけや助けになることができればなお嬉しい。

感想やご意見なども歓迎します。


続き(予定)

・振り返り④ 「性」欲(2)~女性(キミ)を喰らい強くなる男性(オレ)
・振り返り⑤ 縋りつく虎~女性(キミ)を生きて帰らせない男性(オレ)
・わたしはもうあなたを女性(キミ)とは呼ばない

いいなと思ったら応援しよう!

Knot
暴力や差別についての学びのため(書籍購入や勉強会参加)、今後「男性」のためのコミュニティづくりのため、サポートしていただけるととても嬉しいです。 よろしくお願いします。