ヒロイン~女性(キミ)にケアされる男性(オレ)
はじめに
振り返り① ヒロイン~女性(キミ)にケアされる男性(オレ)
自分のなかの女性差別、女性に対する暴力性に向き合うために
自分が女性をどのような存在として見ているのか
どのようなイメージをもって見てきたのか
幼いころからの記憶と感覚を振り返ってみようと思う。
女の子の笑顔
いつからだろうか。
気づいた時にはその笑顔にやられていた。
目があって、微笑みかけられる
ただそれだけでだめなのだ。
「一目惚れ」
よく言うそれなのだが
幼いころから本当に一瞬にして
私は恋に落ちてしまっていた。
その感覚は心地よい、幸せ、癒し…
とにかく私はそれが好きだった。
ヒーローとヒロイン
卵が先か、鶏が先か
どちらが先かはわからない。
ただ、私の女性に対する意識が
そのイメージと重なっている実感がある。
「ヒーローを支えるヒロイン」
いつもヒーローの隣で
愛くるしい笑顔を見せるその存在。
ヒーローは彼女を守る存在のようで
彼女のその笑顔に支えられている。
「彼女の笑顔を守ること」が
彼の存在意義にさえなっている。
いや、ヒーローはヒロインを
男性(オレ)は女性(キミ)を
自らを支えるモノとして
男性(オレ)の存在意義として
いつも目の前に飾っていたのだ。
男性(オレ)たちはずっと前から
そう…
聖書がイブを
アダムの「助け手」であると
そう物語ったように。
回復魔法と薬箱
男性(オレ)が傷ついたとき
女性(キミ)は隣で回復魔法を唱えてくれる。
そんなイメージがすっかり染みついている。
「君はいつも僕の薬箱さ
どんな風に僕を癒してくれる」
学生の頃、そんな歌詞の歌を
君の目を見て歌う自分に酔っていた私
そんな男性(オレ)は女性(キミ)を
薬箱(モノ)として見ることに
なんの疑問も抱いていなかった。
女性(キミ)をそういうモノとして
男性(オレ)は女性(キミ)のために戦うヒーロー
女性(キミ)は男性(オレ)を癒すヒロイン
女性(キミ)をそういうモノとして
あたりまえのように扱い続ける男性(オレ)は
またあたりまえのように
女性(キミ)に暴力をふるうのだ。
使い古された感覚
でもそれは
女性に対する私の暴力の
根のような部分であると感じている。
お読みくださりありがとうございます。
「女性(キミ)と男性(オレ)」シリーズの目的は以下の通りです。
・自分が男性として、いかに女性に対して暴力的である/あったか
過去のエピソードとともに振り返ること。
・自分の男性性と女性に対する暴力性、
自らに染みついている無意識の偏見や(女性)差別を言語化すること。
・それらに決して妥協することなく、
より具体的に「非暴力」への歩みを進めていくこと。
筆者以外にも、自分の男性性や暴力性、加害性に悩み、
それらと向き合いたい、なんとかしたいと思っている方が、
自ら考え取り組むきっかけや助けになることができればなお嬉しい。
感想やご意見なども歓迎します。