見出し画像

「私」として四半世紀生きたものの

どうやら私は感情との付き合い方がうまくない。

良く言えば、感受性が豊かだ。

嬉しい時は、世界がバラ色どころか虹色に見え、幸せな歌ばかり聞いて「最高だ、最高だ」と繰り返し口にする。

悲しい時は、この世から取り残されたみたいに背中を丸め、胸に何かがせりあがるような感覚のせいで、呼吸が浅くなる。

「私」として四半世紀近く生きたものの、「私」をコントロールできない。

感情との付き合い方は、知識としては知っている。「私はこんな気持ちだな」と客観的に見たり、周りに期待しすぎないようにしたり、様々な方法がある。と、頭では分かっている。

ただ、やっぱり感情がたかぶると、そんなこと全て忘れてしまう。

私は恋人のことが大好きだけど、許せないところもある。たとえば、相手がどんな気持ちになるかあまり想像しない(ように見える)ところ。マイペースすぎるところ。

この数日間、一緒に過ごして、私ばかりがイライラしていた。昨夜、そのイライラがとうとうピークに達して、深夜の2時半近くにどうしても彼の家にいたくなくなった。自分の家に帰りたい。始発まで待てないけど、家までのタクシー代を出すのも悔しい。いっそ歩いて帰ろうか。いやいや、3時間以上かかる。ネットカフェにでも泊まろうか…

どうしてこんなにイライラしたかというと、彼が夜、外に出かけてなかなか帰ってこず、帰ってきてもテレビを観ていて眠らず、やっとベッドに入ったので私が甘えてみたらすぐに寝てしまったから。

こうして冷静に書いてみて、自分本位さに呆れてしまう。誰のって、彼じゃなくて私のだ。

私は彼に相手をしてほしかったのに、思い通りに動いてくれない彼に腹が立った。「相手に期待しない」といつも言っているのに、実行できない。

ただ、1つだけ変わったのは、今までなら嫌な顔もせず、理由も言わず溜め込んでいたけど、本人に直接言えるようになったことだ。

逆に、彼に「私の嫌なところないの?」と聞いたら、「無い」と断言された。

「他人だから違いはあるし、多少の理不尽は受け入れられる」とのこと。

彼は感情との付き合い方が上手だ。私が日ごろから「気を付けよう」「心がけよう」という考えを、さらりと実行する。

5つも年上のくせに、子供っぽくて嫌んなっちゃう、とすら思っていたけど、やっぱり彼の方がよっぽど大人だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?