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avenir’e『舞い散る』のおはなし①
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avenir’e 6th create『舞い散る』
ーゴミ舞う空に我らは踊るー
[あらすじ]
地球全体の気温が上昇している世界。陸は砂漠化が進み、海面の上昇により沈み始めている。
人々は、幾つもの塔を建て居住区を空に広げている。
地上に残された人々は、人権も無く、もはや国の民として認知すらされていない。
数十年後には水に沈んでいくその土地に住む彼らは、上から降ってくるゴミから食料を漁り、一日一日を生き延びる。命があれば、彼らは踊る。生きている喜びを噛み締め、今を豊かに過ごしている。
そんな時、彼らに一つの命が宿る。終焉を待つのみの彼らの前に現れた一つの生命を巡って、放棄した未来を見つめ直す、のだろうか?
たくさんのお客様に見届けて頂き、
無事全公演終えることができました。
まずは、
ご来場いただきました皆様。今作を気にかけてくださった皆様も。
誠に誠にありがとうございました!!
そして、今作の創作に関わってくださいましたスタッフの皆様はもちろん。
『舞い散る』の世界を立ち上げてくださった脚本の池内風さん。
その世界を現実の瞬間へと導いてくださったメインディレクターの須賀真之さん。
共にあの世界で呼吸をさせて頂いたキャストの皆さん。
この場で改めて、感謝申し上げます。
いーっぱいのありがとうよ届けー!!
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【創作はじめの頃のおはなし】
今回、私はavenir’eメンバーとなって初めての創作だったこともありお稽古が始まるまでは入学式後の初登校前のようななんとも言えないわくわくを抱えながら過ごしていました。
顔合わせの日、役名を初めて見た時の第一印象は、
〈トゥリッサ〉
「わ、カタカナ。あ、ちっちゃいウがある。」でした。笑
小説を読んだりするときに、私は小さいカタカナを勝手に読みやすい形へ変換してしまう癖があるので
この名前が身体に染みていくのはもしかしたら時間がかかるのでは…と、
少しだけ身構えてしまったのを思い出します。
(カタカナ名に対するこの失礼な癖は治したい…)
でも実際、お稽古が始まってしまえばそんな不安はすっかり忘れて
割とすぐに自分の名前もみんなの名前も馴染んでいました。
今振り返ると、多分、名前の印象を感じとるよりも作品の世界が身体に浸透するスピードの方が早かったからかな。と、思ったりしています。
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【作品の世界観を立ち上げる過程のこと】
「舞い散る」の世界観は、SFのフィクションに感じそうな要素もありますが
私は優しくも鋭く、今を映し出す世界だと思っています。
はじめは私も、未来の設定。とか、こういう現象が起きる世界。とか、
無意識に作品と向き合うときに〈世界観〉というフィルムの中で物語をみてしまっていました。
でも、お稽古の中でワークを行なったり本で起きる出来事を整理していくと
段々とはじめの頃の自分の感じ方が恥ずかしくなるほど、今この世界で起きていることばかりが映っていて、
その今起きていること。というものに対しては、自分は知っている気になっていただと気付かされたんです。
浅いなあ、自分…となった最初のきっかけは調べ物をしたこと。
〈ゴミ山について〉と、〈集落における祭りについて〉
この題に沿ってキャストはそれぞれの方法で調べて自分の言葉で発表し情報を共有して、みんなでたくさん話しながら思考する時間がありました。
このワークを行なった日は、知っていたようで気づけていなかった現実とたくさん出会って
帰りの電車でも、埃を身体の中に溜め込んだようななんとも消化できない感覚を持ち帰った記憶があります。
ありきたりな感想ですが、
私たちは、少なくとも私は、今寒ければ暖を取る手段がいくつもあって
お腹が空いたら満たす方法もたくさんあって
不安なこと、初めてのことが起きたら相談したり、調べたり、
よくする為に助けてもらうことが当たり前にできる環境で生きていることに改めて気がついたりして。
私は難しい言葉も、難しい表現もすいすい理解できるような頭はないけど
せめてこんな恵まれた環境を当たり前だと言えてしまう立場の私だから、
現実に、今も同じ地球で生きている同じ人間が
どんな環境でどんな感情を日々抱いているのか。
理解はできてもできなくても、知らない。という事実だけは変えたくて
このワークの時は心と頭と身体の感覚をソフトに広く広げて、できるだけキャッチできるように!と向き合いました。
(とはいえ、そんなのも結局は綺麗事で、今でも当事者でない限り〈理解〉という範囲から抜けることはないという事実は、うまく言葉にはできないけどすごく悔しいというか、虚しいようなそんな気持ちにはなります…でもだから物語ってあるんだな。とか雑な考えだけど思ったり…うーん、私の頭ではまだまとまらない…)
そこから、脚本の状況や出来事をみんなで丁寧に膨らませるワークも行なって
きっとその時間があったからこそ
今回の題材、脚本にセットされた出来事や言葉を扱うとなったとき、
素直にその状況や言葉選びを受け入れることができて
実体験に近いような形で私は向き合うことが出来たのではないかと、勝手に思っています。
貴重な経験をさせていただき座組のみなさま、ありがとうです<(_ _)>
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作品の世界がどんな環境なのか話しているところ。
まだまだおはなししたいことだらけなので、
内容が散らかる前にひとまず区切り!
2つに分けようと思います。笑
次は、これが一番お話したかったんだー!な、あの話もしたいと思います。
まとまらない言葉でたらたらとおはなししてみましたが、なんだか楽しかった…
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回。
【 奏夢 】 -Kaname-
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◼︎ 2003.4.20
◼︎ 山口県出身
◼︎ 俳優〈avenir’e俳優部〉
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2012年より芸能活動を始める。
ミュージカル/ドラマ/CM/ストレートプレイ等、
現在まで幅広く活動中。
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