【絵本 びっくりたまご】
知らなくたって、楽しい。発見そのものが楽しい。みんなと共有できる笑いがあったらしあわせ。そして、きっと種を越えて仲良くできる。~3びきの かえると へんな にわとりの はなし~
【並べて楽しい絵本の世界】
いしころじまに、三匹のかえるが住んでいました。
マリリン と オーガストと、おもしろがりやの ジェシカ。
ジェシカ はいつも どこかに行っています。
そして、自分が見つけてきたものを「みて!」とさけびながら持って帰ってくる。
たとえ それがなんでもない石ころでも。
きのう、犬と散歩中に通りかかった公園で、10人くらいの少年たちが遊んでいました。
何やら隅っこで、ひとりの少年が落ちていた板切れをめくって、
「みて!みんな!ナメクジがいる! 芋虫がいる!みみずがいる!」
と興奮して、叫んでいるのですが、ひとりを除いて他の少年たちは知らん顔。
(私ものぞいてみたのですが、何がいるのかわからなかった。)
少年は何度か叫んでいたのですが、みんなが集まってきてくれないので、そのまま立ち上がって 仲間のもとへ戻ろうとしたら、黙ってとなりにしゃがんで見ていた、もう一人の少年が、「ちゃんと もとに戻さなきゃ・・・」と丁寧に板をかぶせていました。・・・几帳面なやさしい子なのでしょう。
私の犬も、しばらくその場所をクンクン。
なんだか、とても愉快でした。
そんなことがあったので、
【びっくりたまご】
を思い出しました。
・・・・・・・・・
ある日、ジェシカは真っ白で まーるくて 大きな不思議な石ころをみつけて、いつものように 持って帰ってきます。
ものしりマリリンは それを「にわとりのたまご」だと言います。
でも、たまごから生まれてきたのは・・・どう見てもワニです。
水の好きな4匹ですから、すぐに仲良く遊べます。
ちょっとしたハプニングの後、さらに仲良しになったジェシカとにわとりのもとに、あかと あおのことり、が舞い降りてきて、
「おかあさんがさがしていたわよ」と教えます。
案内するよという ことりのあとについて、ジェシカ とにわとり は、えんえんと歩いて おかあさんのところへ。
にわとりは、ワニのおかあさんのもとへ無事に帰ることができました。
さいごのジェシカの言葉がすてきです。
あなたが いなくなるのは とっても さびしいわ、にわとりちゃん。
はやく わたしたちを たずねてきてね ー おかあさんも いっしょに
三匹のかえるは、おはなしの最後まで、そのへんな にわとり の正体をしりません。でも仲良くなってしまう。
知らなくたって、楽しい。発見そのものが楽しい。みんなと共有できる 笑いがあったらしあわせ。そして、きっと 種を越えて仲良くできる。
お読みいただきありがとうございます。
今日も楽しい一日になりますように。