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レオニード・ガイダイ『コーカサスの女虜、或いはシューリクの新たな冒険』シューリク+誘拐="カリオストロの城"?
ショットによってはジュリエット・ビノシュとか渡邊美穂に見えなくもないナターリア・ヴァルレイのデビュー作であり、大好評を博したソ連の国民的ヒーローのシューリクくんの続編。彼が帰ってきた!ってのは十分過ぎるほど幸せなのだが、テンポとしては前作よりゆったりしている。それでも小気味のいい音楽と鮮烈なカラー映像に新しく雄大な自然まで加わって、私は満足である。
今度はコーカサス地方にやってきてスケールアップした芸術的スラップスティック。冒頭のロバと車の対比から超絶可愛いヒロインがズバッと登場するシーケンスで観客を引き込む。前作の第三話で登場した三バカトリオが現地の党幹部の依頼でヒロインを誘拐する三人組を演じているのも楽しい。が、スラップスティックとしてビジュアル的に楽しかった前作に比べると"権力側に踊らされる純朴な若者たち"という政治色が全面的に押し出されていて、若干政治臭もする。終盤も"認めるだけじゃなく血で贖え"と言ったり、ソ連の裁判所を"世界で一番人道的な"と例えたりする感じが若干シューリクじゃないよーって感じがするんだが、まぁ良しとしよう。
最後はシューリクくんが文字通り白馬の王子となってハッピーエンド。マジで『カリオストロの城』冒頭って感じのラストだった。
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