アレクサンドル・アストリュック『女の一生』鬼畜夫が支配する斜めの構図
大傑作。これは凄すぎ。二人の女性が砂浜に向かって走っていったり、片方が海に落ちて溺れかけたり、まるで『燃ゆる女の肖像』みたいなシーンが冒頭にあって驚く。そんな溺れかけた純情乙女ジャンヌは助けてくれたパリ帰りの青年と恋に落ちてすぐに結婚する。しかし、夫は新婚なのに家を開けまくり、ジャンヌ幼馴染で女中のロザリーに手を出して妊娠させ、友人の新妻とも不倫をしてとやりたい放題。ジャンヌといるときは出会った瞬間から死ぬ瞬間までニコリともしない鬼畜っぷり。二人の距離感は人を端に追いやって空