ニコス・ニコライディス『モーニング・パトロール』海を目指して西へ進めば
終末世界をタルコフスキー的に描いた作品。それって『ストーカー』じゃん、と思った勘のいいガキの皆様、半分くらいは当たりです。廃墟と化したした街を一人旅する女の目的は、西にあるという海に行くこと。人はほぼ死に絶え、残った人々も僅かな資源を求めて殺し合っている中、"モーニング・パトロール"という謎の武装集団が徘徊する街を抜けるのは容易なことではない。セリフも音も極限まで減らされた異様な緊張感漂う世界で、女はここに至る断片的な記憶を掘り返しながら黙々と海を目指して前進し続ける。しかし