アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン『暗くなるまでには』現実と虚構が混ざり合う神秘的迷宮の彼方
傑作。最新単独作『Come Here』を先に観てしまったので、ほぼ同じ手法を使って時空を超越した作品を作っていたことにまず驚いた。一応主軸となるのは、70年代の学生運動に参加した女性作家(?)と彼女の反省を映画化しようとしている若い女性(以下、監督)の物語だが、それに付随する形で70年代の学生運動や軍による弾圧の様子が俳優たちによって演じられ、更には別の女性二人が作家と監督のやり取りを完璧に再現して演じ直すという迷宮のような構造になっている。そしてそれは『Come Here』