【日記#12】1歩進んで、200歩下がる。

上京した。ナレーターになるために。
もちろん、厳しい世界だと思っていた。
それでも踏ん張ろうと思った。
でも、負けた。
世間から見れば、敗北者であり、落ちこぼれ。

会社では、頑張ろうと思った。一人の人間として。
それなりに、やってきたとは思う。
給料も上がったし、社員にもなることができた。
でも、トラウマで、続きはしなかった。

今、考えれば、ずっと負けっぱなしの人生なんだなぁと思う。

そして、並行して思うのは、
人生に勝ち負けってあるのか、とも思う。
上には上がいるわけで、必ず負ける。
比較するだけ、意味がないような気がする。

子供の頃、とことん他の子供たちと比較されて育てられた。
その経験が、私の心の奥底で引っかかっている気がする。

そして、私は、歳をとってから、初めて病院に行く。
うつ病のような状態ではあるものの、うつ病とは言い切れない。
今、言えることは、双極性障害かな、ということだった。

これと向き合ってきたつもりだ。
調子が悪くなってきたときの対処方法は、
10年以上、付き合っていると、なんとなくわかってくる。

それでも、限界を迎えることはある。
その時は、病院で、はっきりとうつ病だと言われた。

やっぱりか、とも思ったし、
色々工夫してやってきたつもりなのに、
生きようとして、やりたいことも少しずつやろうとして、
それでも、うまく行かなくて、
1歩進んだと思ったら、2歩どころか、
200歩ぐらい下がって、振り出し以上に戻っているような感覚になる。

生活に多少、支障をきたす程度であれば、
特に、障害手帳も出ない。
ある時期が過ぎれば、戻ることもある。
この中途半端な状態は、特に手当もない。
自分の工夫、自分の努力次第になる。

そして、ここ最近、思うのは、
大学生の頃から、友達が一人もいない。
引きこもってしまって、小学校、中学校、高校の友人とも、疎遠となった。
高校の同級生が交通事故にあって、亡くなってしまったときも、
鬱になりかけていて、お葬式に行くことができなかった。
そこから、急速に、友達は減っていって、今や、友達と言える人はいない。

これが一番辛い。

カッコ悪い見た目だし、私が私をみると、本当に気持ち悪いと思う。
あまり、人のことをみて、気持ち悪いとかは言ってはいけないと思うが、
私が私をみると、本当に気持ち悪く思う。

もちろん、見た目だけじゃなく、性格もよくない。
自分のことばかり考えて、周りのことに気が回らない。
その余裕がない、というのが正直なところだが…
だから、友達がいない。

寂しいなぁと思うこともあるが、
寂しいというよりは、自分は、やっぱり情けないなぁと思う…