20230106
雲というか、霞がかったような空模様。気温も氷点下まで下がる寒い一日だった。二〇二三年はじめの週末。もう一週間が過ぎようとしている。光陰矢の如しである。新年あけ、二日から四日にかけて恒例のブックオフでのセールで書籍が二割引きだったので、安くならない名作を中心に買い物をした。しかし、すでに去年からの積読もたまっており、どこから手を付けて読んでいくのか途方に暮れている。ひとまず年末から読み始めた國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)と高原英理『詩人探偵フラヌール』(河出書房新社)を同時に読んでいる。『暇と退屈の倫理学』は二〇一一年に発刊されたものだが、ロングセラーでついに昨年文庫化された。あとがきと増補新版に寄せた付録「傷と運命」を目当てに買った。人はなぜ退屈するのか、暇とは何か、人類の起源にまで遡り、スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーと暇と退屈について考えてきた哲学者たちを通して現代人の生き方を問う。『詩人探偵フラヌール』は昨年末に発売された新著で、詩歌をめぐるゆるふわ探検散歩小説と銘打ってある通り、メリとジュンの肩の力の抜けた会話と、街に詩歌の断片を探しに出かけるという世界観を統一した短編集になっている。