20230802
そういえば、七月末日に『代わりに読む人1 創刊号』が正式な発売日を迎えた。友田とんさんの主宰する書籍レーベル「代わりに読む人」の文芸雑誌がついに創刊された。「特集:矛盾」というテーマで15の創作、連載・小特集として「これから読む後藤明生」で2編のエッセイ、panpanyaさんの漫画、「この一年に読んだ本2022-2023」で21冊の書評という充実した内容である。友田さんは編集・発行人を務めるほか、巻頭言、「この一年に読んだ本」、エッセイ「「矛盾」が考える」、創作「矛盾指南」と獅子奮迅の活躍である。わたしは見本を手にして一通り読み終えたが、どれも個性的な内容でそれぞれが考える「矛盾」にもいろいろあるものだ、と感心しっぱなしであった。先日Titleで原画展があった佐貫絢郁さんによる表紙画、挿画も非常に味わい深い。わたしは「海浜公園建設予定地」という掌編を寄稿している。語り手の祖父の家の前の浜が埋め立てられ、伯父が一人で反対運動を逸脱する行動を起こす変な小説だ。興味がある人はぜひ、書店などで本を手に取ってみてほしい。