20240828
マルカム・ラウリ―『火山の下』(斎藤兆史監訳、渡辺暁・山崎暁子共訳、白水社)を読み始めた。メキシコの英領事ジェフリーを中心に、「死者の日」の一日を異なる登場人物たちの視点で描く長篇。大江健三郎やガブリエル・ガルシア=マルケスなどが愛読したという帯に惹かれて手に取った。
斎藤兆史の解説によると、ラウリーはダンテの『神曲』地獄篇のような作品を想定して書こうとしていたらしく、酩酊したアルコール中毒のジェフリーの語りには地獄のモチーフが散りばめられている。決して読みやすい文体ではないが、わたしの好みである。
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