20241109
百田尚樹が動画配信中にSFの構造について私見を述べて、SNSで騒がれていた。問題の場面を少し観たが、女性が若いうちに出産しなければリスクが高いということを問題にして「25歳になったら子宮が摘出される」などの世界観を示していたようだ。有本香も「言い過ぎ」と言及していたものの、子どもの頃から出産リスクを教育しなきゃいけない、といった趣旨の発言をしていて、とてもSFのディストピアそのままの世界のようだった。80年代にアトウッドが『侍女の物語』で描いていた、あの価値観そのままだ。彼らの思想こそがSFの想像力によって半世紀近く前に予言されていたことがこのような形で表出したというのは、たいへん皮肉なことだし、SFの想像力、アトウッドに先見の明があったことの何よりの証拠だろう。