20240503

 晴れて行楽日和といった天気。ゴールデンウィーク後半で四連休に人もいるようでTL上も浮かれた文言が飛び交っている。
 「第129回文學界新人賞」の旗原理沙子「私は無人島」、福海隆「日曜日(付随する19枚のパルプ)」と選評を読んだ。「私は無人島」はレイプされて妊娠した友達を堕胎させるための秘薬を探しに島へと赴く冒険譚。民話の挿入で独自の世界観を描いている。「日曜日(付随する19枚のパルプ)」は、年下の大学生と付き合うゲイの会社員が、大学で出会った性的マイノリティーの啓蒙活動に熱心な〝レイちゃん〟に妙に付き纏われる彼氏のために彼女との関係を断ち切るまでの話。当事者の社会生活と、運動で叫ばれるような主義主張の行き違いを上手く描いている。選評では、この二作を否定的に言及している「私は無人島」について阿部和重、「日曜日(付随する19枚のパルプ)」について金原ひとみの選評がわたしの見解に最も近い読みだったと思う。

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