20241003

 雨が降って少し気温が下がったが、それでもまだ蒸し暑い一日だった。ずっと気になっていた近所のカフェでカレーを食べた。コロナ禍の少し前にオープンして、いつか行こうと思っていたのだが、いつも昼時は混みあっていてなかなかタイミングが合わなかった。この日は昼下がりで、雨ということもあって二組の客がテーブル席にいるのみだった。ランチメニューはカレーのほかにオムライス――ともう一つあったが失念した――もあったがすでに売り切れになっていて、やはり昼の時間帯は雨の平日でも混んでいたことを思わさせた。とはいえ、初めから目当てはカレーだったので問題はなかった。注文を待つ間にブレンドを注文した男性客と、カフェラテを頼んだ女性客、小さい女の子と母親らしき女性の二人が入ってきて、厨房にいる女性と黒いエプロンをした女性の二人の従業員は忙しなく動いていた。わたしは注文を待つ間、青木惇悟『四十日四十夜のメルヘン』(新潮文庫)を読み始めた。先日、町屋良平「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」序文を読んで、かなり気になって積んでいたものを手に取った。大学の文学部に通う大学生の主人公が指導教員に「新しい小説を書いてください」と言われ、日記を書き始めるが七日で挫折し、「どうせだからメルヘンを書こう」とするメタ的要素も入った構造らしく面白い。と思っていたら、前菜のサラダが来たので、本を仕舞った。レタスや水菜の葉物がフレンチドレッシングで和えられたグリーンサラダで、降りかかっているナッツがアクセントになっていた。食べると、カレーも運ばれてきた。こちらは白い器に半々のルーとご飯。間に素揚げされたかぼちゃやズッキーニなどの野菜が彩りを加えていた。ルーにはひき肉が入っていて辛さが苦手なわたしにも丁度いい優しい味のするカレーだった。カレーの後にカフェモカを頼んだ。こちらも甘すぎず、いい塩梅だった。ホットだったが、ガラスのグラスに入っていて、かといって熱さは感じず何か特殊なガラスなのだろう。水の入ったグラスもしゃれたグラスで小物にもこだわりを感じた。また来た時にグラスをよく見ておこうと思う。


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